一流の人は「努力の娯楽化」という共通点がある 持続可能なものは「好き」を中心に生まれる

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一流とそれ以外を分けるものとは? 楠木建氏(写真左)と秦卓民氏がモチベーションと自己変革について語り合った(撮影:尾形文繁)
「できる人ほど、ゆとりがある」「一流の人ほど、楽しそうにやっている」――そんなことを感じた経験はないだろうか。
ゆとりを持って仕事をしたい――そんなふうに思うことはないだろうか。
一流とそれ以外を分けるものは何だろう?一橋ビジネススクール教授の楠木建氏と、ENERGIZEの代表である秦卓民氏が、ロングセラー『SELFISH』を引きつつ、モチベーションと自己変革について語り合った。キーワードは「無理をしない」「ゆとりを持つ」だ。
前回記事:「自分本位な人」が結局大きな幸せをつかむ必然

無理をしないということは、持続性が高いということ

楠木:よく、「長所を伸ばして短所を改善する」といいますが、まったくの見当違いですね。短所を改善することは、そのまま長所をなくしてしまうことにもなりかねません。長所も短所も突き詰めれば同じこと、コインの両面です。

:どんな人でも、「好き」という領域でならイキイキさを発揮します。会社でイベントを行った際、普段はあまり前に出てこないようなメンバーも、楽器を演奏するときになると水を得た魚のようにイキイキし始める。それも、「良しあし」ではない「好き嫌い」の領域でこそ発揮される力だと思います。

楠木:『SELFISH』を読むと、「モチベーション」や「自己変革」について考えるきっかけになります。この本に書かれていることは、モチベーションや自己変革についてのよくある話とだいぶ違います。自分を奮い立たせることも、思い切って何かを手放すこともしない。ただただ「無理をしない」ということ。それは、とても自然な状態なんです。ポイントは長続きするということです。

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