子供の捲土重来も、母親の執念がカギ 受験の失敗にも、母親が寄り添うべし

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母親が子供に寄り添っていなかったケース

水野さん(仮名)は二代続いている大病院の三代目を育てているお母さんです。息子さんの中学受験はことごとく失敗でした。幼稚園から小学校まで一緒でしたが、運動会などでは4人の祖父母が他府県から必ず参加されていて一番大きな応援団を結成しておられたので、水野家の一人息子に注がれた(愛情の深さはどこも同じだとして)期待の大きさが計り知れようというものです。この期待の大きさは、裏目に出るとプレッシャーになるかもしれず厄介です。

お嬢様育ちで挫折とは無縁で生きてこられたような水野さんは、息子の受験失敗時もさほど反省や危機感を持たれた様子はなく、息子さんの教育を進学校ではない私立に丸投げした格好でした。そこで息子さんはいわゆる悪いお友だちにひっかかり、高校では何度も補導されて大学には行けませんでした。

何かにつけて派手な水野さんは、母親が子供に最も力を注ぐべき時期にも、他のことで忙しそうでした。ご近所の評判では、子供への大きすぎる期待がプレッシャーになってますます子供を追い込んだというものでしたが、私には当時の水野さんの子供への情熱が気になっていました。子供の教育はタイミングが外れるほど難しくなる例として思い出します。

母親の執念で子供を医者に導いたケース

そして対照的なのが木村さん(仮名)。一言で表現しますと執念の人で、子供が第一志望校に不合格で、やはり進学校の第二志望校に合格したのですが、おんおんと泣きながら、番狂わせの不運を訴えるような長電話がありました。第二志望校だった進学校に通わせたまま学習塾へ通わせ、第一志望校だった学校の高校受験を目指すというのです。母親の強い執念岩をも通す如く、見事に高校受験で志望校に合格しました。

ちょっとランクが下がるとはいえ、第二志望校からも医師を輩出しているのに、中学受験の失敗?後、休みを入れず捲土重来を期して頑張った木村母子の努力には頭が下がります。木村さん曰く「あとは放っておいて」息子さんはお医者さんになりました。

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