アメリカ・宇宙ビジネス最前線、華々しさの陰で資金集めに難航も

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 ヴァージン社はスケールド社のバート・ルータンの設計による宇宙船VSSエンタープライズで弾道宇宙旅行を計画。VSSエンタープライズの元になっているスペースシップ2のお披露目式は、この12月に行われる予定だ。すでに約2000万円を支払った日本人約10人を含む顧客300人が、スケールド社のあるモハベ砂漠に集合する。本格的なサービス開始は、リチャード・ブランソン一家を初飛行させてから始まる予定だ。

ポール・アレンやリチャード・ブランソンだけでなく、ペイパル設立者の一人で電気自動車のテスラモータース会長のイーロン・ムスク(関連記事)が手掛けるスペースX、ジェフ・ベゾス(アマゾン社長)のブルーオリジン、など、多くの財界著名人が宇宙開発事業に乗り出している。
 
 ちょっとした宇宙ブームとさえ思えるが、やはり宇宙はハイリスク。巨額な開発費などがかかるため、事業運営に苦労する民間宇宙開発企業も多い。

ロータリー・ロケットというシリコンバレーのレッドウッド・シティに本社があったロケット製造企業は2001年に資金不足で倒産した。世界的ベストセラー作家のトム・クランシーなども投資していた企業だ。

オクラホマ・シティに本社を置いていたロケットプレーン・リミテッド社も経営難に陥り、キスラー・エアロスペース社と統合。ロケットプレーン・キスラーという会社に衣替えした。そのロケットプレーン・キスラーは、NASAによって国際宇宙ステーションへの民間企業による商業軌道輸送サービス業者として2006年に指定された。しかし、ロケット打ち上げのための資金調達がうまくいかず、2007年には契約が打ち切られ、同社は本社をウィスコンシン州に移し、投資を募っているところだ。

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