「スマホをなくした人」を襲う超面倒くさい事態 悪意のある人がいれば犯罪に巻き込まれる

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どうしても見つかりそうにない場合は、ただちにスマホに登録したクレジットカードや電子マネー、キャッシュレス決済などの契約会社に利用停止の連絡を入れ、警察に届けるべき。利用の停止をしないと、限度額いっぱいまで使われてしまう恐れがあるからだ。

また、なくしたスマホが戻ってきたとしても、SNS等のパスワードはすべて変更したほうがよい。

パスワードをかけただけでは安心できない

スマホの守りを堅固なものにして個人情報を守るために、佐々木氏は3つの対策を行うことを勧めている。基本的なことではあるものの、決して無視できないというのである。

1つ目は、スマホのロック(画面ロック)を見なおすこと。

iPhoneの場合、iOS9以降の初期設定のロックは6桁の数字のPIN(Personal Identification Number=個人を識別するための番号)コードで、4桁の数字や任意の桁数の英数字も使用できる。機種によっては指紋認証や顔認証も利用可能だ。

Androidの場合は、数字のPINコード、英数字のパスワード、指で形をなぞるパターン認証のほか、やはり機種によって指紋認証や顔認証も利用できる。

PINコードやパスワードを設定するときに一番気をつけるべきことは、他人が手にしたときにロックが簡単に解除できるような安易なものにしない、ということです。「当たり前でしょ」と思った方、では実際に簡単ではないパスワードにしているでしょうか? 現実には「自分は大丈夫」と面倒くさがってしまう人が大多数です。(69ページより)

例えばセキュリティ企業のスプラッシュデータが毎年発表している「最悪のパスワード・ワースト100」(2019年度版)によると、1位から10位までは次のようになっているという。

① 123456
② 123456789
③ Qwerty(キーボードのqから右へ続けたもの)
④ password
⑤ 1234567
⑥ 12345678
⑦ 12345
⑧ iloveyou
⑨ 111111
⑩ 123123
(70ページより)

このように、誰でも考えつきそうな安易なものを使うのは非常に危険。画面上での左から右へのスワイプ(画面に触れた状態で指を滑らせる操作)やタップ(画面を指先で1回短くタッチ)のみで開いてしまう設定は、絶対にやめたほうがよい。

ひとたびスマホのパスワードを外されてしまえば、個人情報はもとより各種のネットサービスやSNSなどのID・パスワードも特定されるものだと覚悟しなければならない。

なぜならスマホの中からは、家族の誕生日や自宅・実家の電話番号、愛車のナンバー、ニックネーム、ペットの名前など、ヒントになるものはいくらでも見つかるからだ。そうした個人情報が悪用されれば、さらなる犯罪被害にもつながりかねないだろう。

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