9期赤字でもお買い得、楽天「Edy」獲得の自信

9期赤字でもお買い得、楽天「Edy」獲得の自信

「掘り出し物」に化けるのか。インターネット通販最大手の楽天は11月5日、電子マネー「Edy(エディ)」を運営するビットワレットを買収すると発表した。12月に第三者割当増資を約30億円で引き受け、出資比率51%を占める筆頭株主となる。社長以下、役員数名を送り込み連結子会社化する。
 
 2001年に設立したビットワレットは、ソニーが開発した非接触ICカード技術を普及させるため、自ら音頭を取って各業界の大手企業から出資を募りスタート。現在は60社が株主に名を連ね、エディの発行枚数も5200万枚と業界トップを走る。

ところが、経営的には厳しい状況が続く。積極的に端末の普及に投資してきたことが巨額の負担につながり、09年3月期は売上高45億円に対して最終赤字57億円と、9期連続の赤字。3月には債務超過を回避すべく6度目の増資を行うなど、抜本的な見直しが不可避となっている。

ビットワレットの誤算は、皮肉にも、エディの特長である特定企業の色がついていないという点にある。

「WAON」を展開するイオンなど競合は自社の顧客を囲い込み、ポイントを提供するなどして決済件数を増やしてきた。対するエディは自ら顧客を開拓する必要があったうえ、共通ポイントのような独自策でも出遅れた。結果、カードの発行枚数こそ増えたものの、実際に決済に利用されることは少なく、売り上げの主体となる手数料収入が思うように上がらない状態に陥っていた。

カード型電子マネーのような決済インフラビジネスは、カードの稼働率が上がってこそのビジネス。低い稼働率ではカードリーダーや会員管理コストなど固定費ばかりがかさむ。

数十億円の赤字を計上してきたエディだけに、無謀な買い物にも見えるが、楽天の狙いは決済手段の多様化にある。近年は単にネット通販モールとしての「場所貸し」にとどまらず、与信や決済など金融機能も提供することで、サヤ取りによる収益機会の拡大に力を入れている。

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