世界中どこでも「同じユニクロ」を目指す

柳井正・ファーストリテイリング会長兼社長に聞く

――低価格路線を表面的なところで追随している企業が多い、と。

やない・ただし 1949年山口県生まれ。早稲田大学政経学部卒。72年、父親の経営する紳士衣料専門店「小郡商事」に入社。同年、同社取締役に就任。84年に「ユニク ロ」1号店。同年、代表取締役社長に就任。91年にファーストリテイリングに社名を変更。2002年に同社会長、05年から現職。

企業として利益を上げてお客様を増やしていこうということよりも、単純に宣伝効果だけを狙う企業がある。そういうことは表面的なので、お客様のほうが見抜いていると思いますけれどもね。

ですから、われわれは付加価値を追求します。もちろん、ユニクロファンを増やしていこうということなので、お客様に「990円ジーンズが欲しい」と言われたら、それは提供しないといけないと思う。

ただ、非常に危険だと感じているのは、われわれが990円ジーンズを売るのは、企業として儲かっており、それだけ余裕があるからですよ。でも、ほかの余裕がない企業が990円のものばかり売ると、自分で自分の首を絞めるようなことになってしまう。これは経営判断として、非常に危険だと思います。

新しい産業をつくった人が次の勝者になれる

――GMS(総合スーパー)や百貨店がここまで業況悪化したのは、必然だと思われますか。

百貨店の人も「際(きわ)がない」と思わないといけないんじゃないですか。やっぱり百貨店という業態は制度疲労していると思うんです。古い産業というのは斜陽産業で、だから売れないし、儲からない。

百貨店という業態自体がもうダメなのかもしれないですね。GMSも同じですよ。だったら、自分たちの新しい産業をそれぞれの企業でつくらないといけないのかもしれない。新しい産業をつくった人が次の勝者になれるんじゃないかと思います。

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