出前館トップが語る「フードデリバリー」の未来 目標は5万店、4~5年後に1000万人を獲得する

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成長が続くフードデリバリー市場で、出前館は急拡大を続けている(写真:出前館)
軽減税率導入などを追い風に成長が続くフードデリバリー市場。活況を背景に、自分たちで料理を届けられない飲食店の配送を代行する「Uber Eats」や「楽天デリバリー」などのデリバリーサービスが事業を拡大している。
最大勢力は、出前を展開する飲食店とユーザーを仲介するポータルサイトを運営する「出前館」だ。2016年に飲食店のフードデリバリーを代行する「シェアリングデリバリー」事業を始めて以来、急拡大を続けており、今や配送拠点数は247カ所、加盟店も2万を超える(2019年12月末時点)。
一方で、直営の配送拠点と直接雇用の配送員が増えたことで、人件費などの販管費が増大。前2019年8月期は、売上高66.6億円に対して3900万円の営業赤字を計上。今2020年8月期も同様の先行投資が重なり、営業赤字は15億円にまで拡大する見込みだ。
2020年に入ってからの株価も1000円前後で推移しており、2019年8月期の決算が発表された2019年10月10日以前の水準(1500円前後)と比べると冴えない。
フードデリバリーはこれからどうなるのか。出前館の中村利江社長に聞いた。

フードデリバリーが徐々に認知されてきた

ーーフードデリバリーの認知度が高まってきています。現状をどうみていますか。

正直なところ「やっときたか」と思っている。これまで「出前に大した需要はないだろう」と言われ続けてきた。それが、2015年ごろからフードデリバリー市場は伸びており、日常使いされるサービスとして徐々に認知されてきた。ピザや寿司だけでなく、ファストフードなど気軽に頼みやすいものが届くようになり、利用シーンが広がったことも大きい。

すでにニューヨークや上海、北京では、2軒に1軒の飲食店がフードデリバリーをしている。地域の飲食店とユーザーをつなぐのがわれわれのミッションだ。目標としては、4~5万店の飲食店に向けてデリバリーサービスを提供していきたい。

一方で、競合サービスも大規模な広告などを展開してきている。(DiDiモビリティジャパンなど)新規参入する事業者も増えて、競争は激しくなっている。

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