日本の株式市場に明日はあるのか?

日本の株式市場に明日はあるのか?

民主党参議院議員・藤末健三

R25にも載っていましたが、今年の通常国会で証券取引法が改正され、新たに「金融商品取引法」が成立しました。今国会では「ライブドア問題」が注目を集めたこともあり、様々な規制が強化されています。

 例えば、その中身は以下のようなものです。

1)規制範囲を証券取引だけでなく、商品ファンド、任意組合(民法規定)、匿名組合(商法規定)、デリバティブ全般に拡大

2)刑罰の強化。不公正取引に対する罰則を、懲役5年以下から10年以下に厳格化。罰金も、個人500万円以下、法人(5億円以下)1000万円以下、法人(7億円以下)5億円以下へと引き上げ。また、「見せ玉」行為も罰則の対象となります。

3)開示規制の強化。大量保有報告書の報告期限短縮や市場外と市場内の取引を組み合わせて株式の3分の1超を取得する場合には、TOBを義務化。これにより、村上ファンドが阪神電気鉄道株の取得の際に行ったような、TOBを使わず、市場内と市場外の取引を併用する株式取得はできなくなります。

法改正は穴ふさぎのパッチワーク
 
 しかしながら、今回の法改正は、「穴ふさぎのパッチワーク」でしかなく、根本的な問題への対応が不十分だと考えます。その理由は2つです。

 1つ目に、今回の法改正では、証券取引等金融取引と商品取引(工業商品先物や農業商品先物など)がまだ分断されたままです。取引市場の国際競争力を考えた場合、これらを統合する必要性があります。金融技術の進歩で商品取引を含めた新しい金融商品が生み出され、法律の網の目を狙った商品が今後もどんどん出てくると思われますが、金融商品は金融庁(ちなみに農協系金融は農林省の所管のようです)、工業商品は経済産業省、農業商品は農林水産省と分断されたままでは、行政当局が現状も把握できないでしょうし、新しい規制を行うのが遅れることは間違いありません。

 2つ目に、現在の株式市場は、ハイテクベンチャーに対し、資金を提供できていません。小さな企業に対する直接金融(銀行貸し出しの融資ではなく、出資による資金調達)を整備すべきです。2005年末時点で、米ナスダックにおいて上場企業の約4割が製造業である一方、わが国のマザーズは2割弱、ヘラクレスは1割弱となっています。わが国を支える製造業への資金供給が十分になされていません(日米で業種の定義が違いますので単純な比較はできませんが)。

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