米国人だって、男女の役割に苦しんでいる

超人・サンドバーグみたいには生きられない

男女平等”後進国”日本から見れば、共働きが当たり前のアメリカの夫婦は、さぞ幸せな両立生活を送っていると想像してしまうかもしれない。
だが、現実はかなり違うようだ。前回記事に続き、企業社会を“選択的”に離脱する女性たちについて描いた『ハウスワイフ2.0』(文藝春秋)の著者、エミリー・マッチャーさんに聞く。
米国でも話題騒然、『ハウスワイフ2.0』(文藝春秋)の著者、エミリー・マッチャーさん

 ※前回記事「会社人生にNO!米国、専業主婦ブームの真相」

米国の男性も、家事はあまりしない

――アメリカで女性たちが企業社会を捨て、専業主婦回帰しているという現象について聞きました。それにしてもなぜ、女性ばかりが会社を辞めなくてはいけないのでしょうか? アメリカ人男性は育児・家事に積極的で、だからこそ、女性も仕事と家庭の両立ができる印象がありますが。

ワーキングマザーが大変なのは、いまだに子どもの世話をするのは母親の役目と考えられているからです。実際、妻が家事に費やす時間は1日平均4.5時間弱なのに、夫はその半分以下の2時間しかありません。子育てに関しても、妻は1日平均1.5時間費やしているのに、夫は1週間でたったの3時間とものすごく開きがあり、この割合は1930年代からほとんど変わっていません。

――それは実に意外です。日本はそうでも、米国は違うはずと思っていました。

もちろん、若い世代の男性の間では、ワークライフバランスを実現したい、もっと家事・育児に参加したいという人が増えています。でも、社会的に男性は一家の稼ぎ頭じゃないといけないと思われていますし、キャリアを追求せずに家でぐずぐずしていると、男らしくないと思われてしまいます。だから、専業主夫は3%しかいません。

――ここであらためて、エミリーさんがおっしゃる「ハウスワイフ2.0」と、普通のハウスワイフ(専業主婦)の違いについて教えてください。

米国で大きな話題になった、エミリーさん著『ハウスワイフ2・0』

「ハウスワイフ2.0」は、企業はどうせ変わらないからと、企業を選択的に離脱した人たちです。そして、自分たちの才能を環境への配慮や、手をかけた育児などにつぎ込み、目的意識を持って家事・育児をこなし、そうした生き方に誇りを持っている。昼間にメロドラマを観る1960年代の無気力な専業主婦とは違い、退屈でもなければ欲求不満でもありません。

そして、「ハウスワイフ2.0」の家庭では、夫も家事・育児に参加するなど、昔の主婦と違い男女平等が当然と思っています。

つまり、隷属的に夫や家族に仕えるのではなく、自分たちは自分たちの人生を能動的にコントロールしているのだという意識が高い。

――今はハウスワイフはむしろ、ステイタスの高い生き方だそうですね。

専業主婦は優越感の漂う褒め言葉になり、“キャリアウーマン”はオールドミスと同じ響きを持つ、イタい存在になりました。

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