米国株は、4つに分けて考えよう マネックス証券・山岸大統氏に聞く(下)

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このようにIT・ハイテク分野は盛衰が激しいので先を見通すのは非常に困難ですが、かつては成長企業の代表格だったインテルは、比較的安定期にあり、現在は高配当銘柄となっています。

成長期は、キャピタルゲインで、安定期はインカムゲインで、株主還元を怠らない姿勢は米国企業の象徴とも言えるでしょう。他にも、タバコメーカーや電信電話会社などは一般的に配当利回りが高いことで知られており、S&P500採用銘柄の中にも直近の配当利回りが5%超の企業が10以上あります。

アメリカは国自体が若いことに加え、建国以来の移民政策により世界中から優秀な人材が集まります。また、企業精神も強いため、新興企業がベンチャーキャピタルから資金を得て成長軌道に乗るための環境も充実しています。

そのため、どの分野においても、新しい技術・ビジネスモデルが生まれ、企業経営者はどんどん新しいことにチャレンジし、活発にM&Aをすることによって、自らが持っていない技術を手に入れ成長していくという風土があるのです。

米国株への投資のおもしろさは、投資成績を上げることはもちろんのこと、株主として、このドラスティックな経営を見守れることにもあります。経営者の決断によって一時的に利益が減り、株価が低下しても、それが将来を見据えたものであれば、復活に望みをつなぐことができます。日本株を中心に運用している投資家の皆さんも、投資対象に米国株を取入れてリスクを分散しつつ、グローバル経済に乗って、成長企業に投資してはいかがでしょうか。

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