第3回 ドイツの学校には部活がない?

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小

タコツボ化しないドイツのクラブ

ここでドイツの学校を見てみよう。ドイツの学校は基本的には午前中で授業が終わりで、日本のような部活はない。

もちろん学年が上がっていくと、週のうち1、2日程度、午後からの授業もある。学校によっては午後から音楽や演劇などのグループがある。これが日本の部活に比較的近い。いずれにせよドイツの学校の時間割の基本設計は午前中で終わり、課外活動も日本の学校ほどではない。

ではどこで、スポーツをするのか。そう、スポーツクラブである。当連載の1回目でも触れたがドイツのスポーツクラブは日本でいうところのNPOのような組織だ。 その数はドイツ全国各地に9万以上、会員数は約2,800万人を数え、7歳から18歳までの会員は27%を占める(2013年、ドイツ・オリンピック連盟)。
 

ドイツ・オリンピック連盟の2013年発表の統計を元に作成


 異なる学校、異なる年齢の子供たちが一緒にスポーツを行う。子供たちは学校とは異なる世界にやってくるわけだ。言い換えれば学校が唯一の生活基盤ではない。
 しかも、そもそもドイツに先輩・後輩といった概念はない。タコツボ型のスポーツ環境に子供たちが陥ることはない。

次ページ職住近接・短時間労働がなせる技
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT