買収観測Jクルーがユニクロにもたらすモノ

50億ドル大型買収の費用対効果はいかに

柳井社長はどうソロバンを弾くのか(撮影:尾形文繁)

2月28日、ウォールストリートジャーナルが、「ユニクロを展開するファーストリテイリングが、米国衣料大手のJクルー買収に向けて協議を進めている」と報じた。Jクルー株を保有するTPGキャピタルとレオナルド・グリーン・アンド・パートナーズのプライベートエクイティ(PE)2社が、最大50億ドル(約5100億円)で売却する意向だと伝えている。

この買収観測に対し、当事者は「Jクルーの件に関してはコメントを一切差し控えている」(TPGキャピタル広報)、「憶測の報道に対してはコメントできない」(ファーストリテイリングの古川啓滋コーポレート広報部長)としている。

Jクルーとは何者か

Jクルーは1983年に創業したカタログ通販発祥のカジュアル衣料品チェーンだ。2008年まで日本国内でもアパレル大手のレナウンがライセンスで展開していたが、ライセンス契約の更新期限に伴い撤退した。

現在は、米国とカナダ、英国に451店舗(2014年2月時点)の店舗網を持ち、直近の2014年1月期は売上高24.2億ドル(約2470億円)、11%以上の高い営業利益率を上げている。2011年にはPE2社に身売りをして非上場化しているが、直近の業績も上向いており、株式の再上場(IPO)や他社への売却を含め、出口戦略が模索されていた。

一方、ファーストリテイリングは、2009年に高価格帯ブランドの「セオリー」、2012年には高級デニムの「Jブランド」など、過去にも米国同業のM&Aを積極的に行っている。懸案だった赤字の米国事業にも改善の兆しが見え始め、海外事業に積極投資を行う中、買収ブランドでの世界展開や人材確保を目的にM&Aには意欲的な姿勢を見せている。

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