子供たちはスーパーカーに乗る夢を見るか?!《それゆけ!カナモリさん》

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■メッセンジャーとしてのスーパーカー

 再び日経トレンディネットの記事「レクサスLFA開発者に聞く、3750万円のスーパーカー誕生のワケ」を見てみよう。

 3750万円といえば、フェラーリのトップクラスとも比肩する価格であり、超富裕層ターゲット向けのクルマである。しかし、限定500台、採算度外視で作られたこのクルマの狙いはそこだけではない。

 LFAの使命は、クルマがもたらす官能・感動の領域を極限まで追求して、レクサスのブランドイメージのさらなる浸透を図ることという、トヨタの旗艦ブランドへの貢献もさることながら、そして未来を担う子供たちに、クルマの素晴らしさを伝えるメッセンジャーとなってほしいという意図も込めているのだ。

 若き日に前出の「ハチロク」に乗ったり、あこがれたりしたオジサンたちは、もっと小さかった頃にはキラ星のごとき「スーパーカー」にドキドキしていた。そのドキドキを今の子供たちにも伝えようというメーカーとしての夢と意志が込められている。

 トヨタは、ハイブリッドや電気自動車、エコカーの開発と同時に、こうしたガソリンエンジンのスポーツカーも開発するという、全方位型の展開をする。それは自動車業界のリーダー企業ならではの戦い方だ。

 体力に劣るチャレンジャー企業であるホンダは、フラッグシップスポーツ「NSX」後継車の開発を既に中止している。しかし、「次世代にクルマの魅力を伝えたい」という熱い想いは同じだ。集中戦略に徹し、ハイブリッドの上で結晶化させた。

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