現連立政権は来夏までの「仮免許の政権」

現連立政権は来夏までの「仮免許の政権」

塩田潮

 新政権発足から40日を経て、やっと臨時国会が召集された。
 初の政権担当で、準備の時間がたっぷりほしかったのだろう。それだけでなく、国会は25日の参議院補選後にという計算も働いたのではないか。補選は民主党の2戦2勝で、無所属4人の入党と合わせて計 115となった(自民82、公明党21、共産7、社民と国民新が各5、改革ク4、新党日本1、無所属2)。過半数にまだ7議席足りないが、無所属1人と新党日本の議員が入れば不足は5となる。これは社民党か国民新党のどちらかが連立離脱してもOKという数字だ。

 といっても、よほどの亀裂が生じない限り、現政権は来夏の参院選までは3党連立体制を維持するだろう。総選挙の際の国民との約束であり、民意は連立を前提に政権選択を行ったからだ。だが、次期参院選で民主党が単独で過半数を握れば、連立継続の是非が大きなテーマとなる。民主党の非改選は62で、60以上の議席獲得が条件だが、実は楽な数字ではない。大勝した07年の参院選の当選者数は60だった、同じくらいの勢いが必要である。
 一方、野党側は自民、公明、改革クは3党で74議席を取れば、3党だけで「新しい衆参ねじれ」をつくり出せる(3党の非改選は計48)。小泉首相登場直後の01年の参院選で自公で77議席を取った実績がある。壁は高いが、不可能と言い切ることはできない。

 連立政権の将来を測る場合のポイントは、現在の民社国連立の本質をどう見るかだ。94~96年の自社さ連立に近い形か、それとも99年から10年続いたもたれ合いの自公体制と同質なのか。内実は呉越同舟、同床異夢の自社さ型と見る。であれば、来年の参院選の直前に一度、連立を解消して選挙に臨む展開も予想される。現連立政権は来夏までの「仮免許の政権」と見るべきだろう。
 鳩山首相は向こう9カ月のどこかで、得意の鳩山調で「民主党単独政権をつくって新たな出発の日としようではありませんか」と叫ぶのだろうか。
(写真:今井康一)
塩田潮(しおた・うしお)
ノンフィクション作家・評論家。
1946(昭和21)年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
処女作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師-代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤の真実』『日本国憲法をつくった男-宰相幣原喜重郎』『「昭和の怪物」岸信介の真実』『金融崩壊-昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『出処進退の研究-政治家の本質は退き際に表れる』『安倍晋三の力量』『昭和30年代-「奇跡」と呼ばれた時代の開拓者たち』『危機の政権』など多数
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