「テレビが取材に行く」お店には共通点がある 渾身のプレスリリースがゴミ箱行きになる訳

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今やネットの時代、「テレビなど古い」「テレビなんてオワコン」と考える人も少なくないでしょう。実際にテレビ番組の視聴率は年々低下の一途をたどっています。しかし、それでも1度に数百万人~数千万人の人々にアピールできるメディアは、今もテレビだけです。

また、これまでは「最大瞬間風速」にすぎなかったテレビの影響力ですが、今ではネット、とくにSNSと連動させる戦略を立てることで、「テレビのチカラ」をより持続的にすることも可能になっています。

「即ゴミ箱行き」となるプレスリリースの共通点

ただ、あなたの商品が、どれほど優れていても、テレビ局にその存在を知ってもらわない限り、取材依頼が来ることはありません。しかし、いくらホームページやSNSでアピールしたとしても今は情報爆発の時代。なかなか見つけてはもらえません。

そこで大切なのは、自らテレビ番組に情報提供をすること。その手段として最もポピュラーなのが「プレスリリース」を送ることです。

プレスリリースは、大企業やPR会社がマスコミに送るものと考えている方が少なくありません。しかし、小さな会社や個人が送ってももちろん構わないのです。プレスリリースというとつい身構えてしまうかもしれませんが、要するに、マスコミへの情報提供です。テレビマンはつねにネタを探しているので、情報提供してもらうことを嫌がることはありません。遠慮しないでどんどん情報提供してみるといいと思います。

ただ、実際のところ、PR会社などからFAXで送られてくるプレスリリースは、99.9%がほとんど内容を読まれることもなくゴミ箱に捨てられることになります。実際に、複数の現役ディレクターに聞いてみたところ、一様に「プレスリリースは、ほとんど見ていません」とのことでした。

いったいなぜ、テレビマンはプレスリリースに目を通さないのでしょうか。その理由は、次のようなタイトルのプレスリリースが大半を占めているからです。

仮にあなたが、多忙なテレビマンだとして、このようなタイトルのプレスリリースを読んだら、どんな気持ちになるでしょうか? 私なら、思わず括弧内のようなツッコミをしてしまいます。

「×××株式会社、デジタル複写機の生産拠点を中国からベトナムに移転」

(えっと……、だから、何でしょうか?)

「株式会社A、豪州から水産物輸入~◯◯◯社と業務提携で」

(それが主婦を対象としたウチの番組と、どう関係あるのでしょうか?)

「晴れバレ岡山2020 夏の陣を7月15日より開催」

(不勉強ですみません、「晴れバレ岡山」って、何ですか?)

「洋風雑貨のB社、“フォーリンプレース”をリニューアル新発売」

(だから「フォーリンプレース」って、いったい何でしょう?)

次ページテレビにおける「情報」は視聴者に役立つものでなければ駄目
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