「北米ビール市場で投資時期にらむ」

サッポロインターナショナル次期社長インタビュー

2月28日、サッポロホールディングスで国際酒類事業を行うサッポロインターナショナル(東京都渋谷区)の次期社長に内定した岩田義浩取締役・経営戦略部長が、ロイターとのインタビューに応じた。2011年2月撮影(2014年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 28日 ロイター] -サッポロホールディングス<2501.T>で国際酒類事業を行うサッポロインターナショナル(東京都渋谷区)の次期社長に内定した岩田義浩取締役・経営戦略部長は28日、ロイターとのインタビューで、今後2―3年で北米での生産能力増強やブランド強化などの検討を進める方針を明らかにした。

米国やカナダのビール市場ではスタンダードビールが漸減傾向にある一方で、クラフトビールが人気化するなど潮流に変化が生じている。こうした市場の変化もにらみながら、投資を決めていくという。

米国もうひとつのブランド保有も

米国やカナダのビール市場では、スタンダードビールが漸減している一方で、輸入ビールやクラフトビールが伸びているという。岩田氏は「大きな市場の変わり目がきている」とみている。

こうした市場の変化を睨みながら、2―3年のなかで、生産能力増強やブランド保有などの戦略を考えていくことになる。

サッポロは昨年7月、2006年に子会社化したカナダ・スリーマン社が製造していたサッポロブランドのビール生産を米シティ・ブルーイング・カンパニー(ウィスコンシン州)に委託。これにより、スリーマンの生産能力に余裕が生まれた。さらには「3工場のうちのひとつ、バーノン工場の能力拡大を予定している。今春先に意思決定し、現状5万キロリットルを20%程度アップさせる」とした。投資額は4億円程度になるという。現在、3工場で20万キロリットル弱の生産能力を有している。

加スリーマンは、2006年の買収以来、7年連続で売上げが増加。13年には06年比1.5倍の1900万ケースを超える販売数量となった。

さらなる生産能力増強については「昨年からの生産委託やバーノン工場の生産増強で2―3年間は判断に猶予が生まれた」とし、自社で増強するか、工場を買収するか、委託を増やすという選択肢の中で見極めていくという。

一方、サッポロUSAでは、サッポロブランドとユニブルーの2ブランドを販売している。岩田氏は「米国市場の変化にどう対応していくか。サッポロは全米に販売拠点を持っており、それを活かすことのできるブランドがあれば良いと思っている」と述べ、もうひとつブランドを持つことに意欲を示した。

そのうえで、「自社で新たなブランドを立ち上げたり、小さなブランドを育てる方法もある。または、パートナー先を見付ける、インポーターとして良いビールを輸入するなど、いろいろな選択肢がある」と指摘。長い視点でユニークな小さなブランドを育てることもある一方で、サッポロの販売網を使うことで一層の販売増が見込めるような既存ブランドがあれば、取得することも方法のひとつとなり得るとしている。

ベトナム黒字化は2―3年後

岩田氏は、東南アジア戦略の核となるベトナム事業の単年度黒字化は、2―3年後になるとの見通しを示した。プレミアムビールでの地位確立のため、ブランド投資を優先させる。

ベトナムでは、2011年11月に工場が竣工、12年4月からマーケティングを開始した。当初は「3年で単年度黒字化」を掲げていたが、14年12月期も23億円の営業赤字となる見通し。岩田氏は「黒字化は2―3年先になる。早期に黒字化して利益が低水準で底這うのではなく、黒字化の時期は少し遅れても、プレミアムビールで確固たる基盤を築き、長期的な利益を考えてブランド投資をしていく」と述べた。

ベトナムのプレミアムビールは、ビール市場の20―30%を占め、オランダの「ハイネケン」が圧倒的な地位を築いている。岩田氏は「美味しいという評価は頂いている。一度飲んでもらえれば分かってもらえるため、プロモーションの女性800人でお客さんに勧めてもらう活動を行っている」という。また、サッポロらしさの一環として、日本では一般的な「生ビール」の認知度も高めようとしている。

サッポロHDの13年12月期の国際事業の売上高は482億円、営業利益は12億円だった。14年12月期は売上高572億円、営業利益11億円の見込み。

岩田氏は52歳。3月28日の株主総会を経て、社長に就任する予定。

(清水律子)

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