激変! 今どきのビジネスホテル事情 龍名館の高級外資に負けない「こだわり感」

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――業界人だからこそわかる、よいビジネスホテル、満足度の高いビジネスホテルを選ぶ際のチェックポイントとか、「こういうところを見ておくと、けっこう当たってるよ」みたいなことってありませんか?

ビジネストリップでは、基本的には価格の感応度は低いと思います。会社から示された予算内ギリギリまで使って、なるべくグレードの高いところに泊まるのが定石ですね。

目的はビジネスでの活躍にありますので、なるべく便利な場所で、なるべくくつろげるところが、いいビジネスホテルのあり方だと思います。

ありそうでない、東京駅すぐそばという抜群の立地

われわれは東京駅前で完全に有利なので、中身というより立地で勝っているのは、多くの業界の方が言うとおりですね。さらに、ビジネスで活躍するためのサポートは、ほかのホテルに比べれば充実している自負があります。

たとえば、靴磨きのアメニティは、ほとんどのホテルにはペーパーしか入っていない。よくてスポンジに磨き粉や磨き液のワックスが染み込ませてあって、それを塗るタイプが多い。一方、われわれは本格派に近いシューケアセットを入れてあります。

というのは、ビジネスで成功される方というのは、靴がピカピカに磨かれていると。よく啓発本にも書いてあるじゃないですか。そういうふうに活躍してほしいとのメッセージを、実はアメニティに込めていたりするのです。

もちろんアイロンの貸し出しなども、必要台数は十分に確保しています。また、ランドリー(洗濯)サービスでも、長期で滞在される方のために、あえてコインランドリーを置いてあったりとか。

――コインランドリーって、意外と置いていないものなんですね。

最近は増えています。ただ、都内のホテルではまだまだ少ないと思います。現に周辺のホテルの方が借りに来られますからね。先方のホテルのスタッフの方から「お客様がコインランドリーを探していらっしゃるので、お宅のホテルをご案内していいですか」と問い合わせがくるぐらいです。ニーズはあるのですが、スペースや音の問題で置かないケースのほうが多いのだと思います。

よりビジネスに集中できるように、いろいろな環境をつねに考えている。旅の専門店である以上、よりお客様の目的に即した滞在のあり方をつねに研究しています。

(撮影:今井康一)

※このインタビューの後編は、3月10日(月)公開予定です

山川 清弘 東洋経済『株式ウイークリー』編集長兼「会社四季報オンライン」副編集長

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やまかわ きよひろ / Kiyohiro Yamakawa

1967年、東京都生まれ。91年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。東洋経済新報社に入社後、記者として放送、ゼネコン、銀行、コンビニ、旅行など担当。98~99年、英オックスフォード大学に留学(ロイター・フェロー)。『会社四季報プロ500』編集長、『会社四季報』副編集長、『週刊東洋経済プラス』編集長などを経て現職。日本証券アナリスト協会認定アナリスト、日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト。著書に『世界のメディア王 マードックの謎』(今井澂氏との共著、東洋経済新報社)、『ホテル御三家 帝国ホテル、オークラ、ニューオータニ』(幻冬舎新書)など。

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