連続18年、累計73億円赤字積んだ社長の言い分 これが連続赤字を続ける上場企業47社リストだ

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多額の損失を計上する会社が出てきている(デザイン:熊谷 直美)

「先行投資が長く続いてきたわれわれは、まるで売れない芸人みたいなものなんです」

長期にわたる赤字をどうとらえているのか。認識を尋ねた記者に、ぷらっとホームの鈴木友康社長は自社をそう形容した。

ぷらっとホームはサーバーやシステム構築を主な事業とする上場会社だ。2000年7月の株式上場後、初年度の2001年3月期こそ1.4億円の最終利益を計上したが、翌2002年3月期から2019年3月期までは最終赤字が続く。連続赤字の年数は18に達した。鈴木社長は2001年6月から現職を務める。

長き下積み生活を経てブレークを夢見るように

稼ぎの少ない自分をかいがいしく支えてくれるパートナーとともに、日の目を見るそのときまでつらい日々を耐え抜く――。長き下積み生活を得てブレークするお笑い芸人の姿に、鈴木社長は自社を重ね合わせているのだろうか。

12月9日発売の『週刊東洋経済』は「最新 危うい会社リスト」を特集。企業の抱える将来リスクを測るため、のれんなどの「疑似資産」や経営トップの信任など7つの指標ごとに「危うい会社」をリスト化した。

12月9日発売の『週刊東洋経済』は「最新 危うい会社リスト」を特集。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

同特集では連続赤字記録を更新している会社も調査。5期以上連続赤字の会社をリストアップした。その1位になったのがぷらっとホームだ。

ぷらっとホームの18年間での累計最終赤字額は73億円に上る。これだけの赤字を垂れ流すことができたのは、上場時の公募増資で74億円を調達していたからだ。

売れない芸人の例え話に引きつけていえば、同社の株主はさながら芸人を支えるパートナーというところ。その株主の期待は上場当初大きかった。

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