飛散量が少なくても花粉症悪化のワケ 花粉症軽減のカギは腸内環境にアリ

✎ 1〜 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 最新
拡大
縮小

短期間で正常化

腸内環境を整えるには、食物繊維を多く含む野菜などをたっぷり食べ、排便量を多くすることが大切。ダイエットのためにサラダだけ食べるというのは×。偏った食事では排便量を増やすことはできない。肉や魚なども食べつつバランスのよい食事を心掛け、毎食ごとに旬の野菜や海藻にプラスして、善玉菌を後押しする発酵食品を取り入れる。ヨーグルト以外に、キムチや納豆もおススメ。しかし、すでに花粉症のシーズンに突入している中で、食生活を見直して間に合うのだろうか。

「善玉菌を増やす効果のあるオリゴ糖を毎日飲むと、最初は17.8%だった善玉菌が1週間で38.7%、2週間で45.9%にまで増えたとの報告があります。摂取を止めると1週間で元に戻ってしまう。それほど腸内細菌は敏感。だから今から食生活を見直して、食物繊維や発酵食品をたっぷり食べ始めても、決して遅くはありません」(同)。

腸内環境を悪化させるのは、高脂肪食や添加物の入った食材。電磁波も、体内で細胞などを傷つける活性酸素を発生しやすいため、腸内環境に悪影響を及ぼすという。日常生活には、腸内環境を乱す要因が多く潜むため、サラダや野菜ジュースをちょっぴり食べたり飲んだりしても効果はナシ。意識して食物繊維や発酵食品などをたくさん食べる必要があるそうだ。

「腸内環境が整うと、アレルギー症状を抑制する免疫機能の正常化以上の恩恵があります。腸内細菌は、ビタミンのみならず、ドーパミンやセロトニンの前駆物質を合成し、それを腸が吸収して健康に役立てています。腸内環境が整うと、老化を退け、肌がキレイになり、気分も安定しやすい。短期間で腸内環境は整えられるので、ぜひ試してみてください」と藤田名誉教授は話す。

安達 純子 医療ジャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

あだち じゅんこ / Junko Adachi

東京生まれ。医療ジャーナリスト。医学ジャーナリスト協会会員。大手企業のOLから転身。フリーランスの雑誌記者としてさまざまなジャンルの取材を行う中で、病気の発生メカニズムに興味を持ち、医療関係の記事の執筆に比重を置くようになった。現在は、先進医療といった最新の医療状況をはじめ、免疫疾患や感染症などに強い関心を持つ一方で、生活習慣病といった身近な病気を対象とした記事を数多く新聞等で連載中。身体に個人差がある中で、その人にとっての健康とはなにか。病気の仕組みはどこまで解明できるのか。また、未知の病気の正体はどこにあるのかなどをテーマに現在取材を進めている。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT