我ら糖尿人、元気なのには理由(ワケ)がある。 宮本輝、江部康二著

我ら糖尿人、元気なのには理由(ワケ)がある。 宮本輝、江部康二著

糖尿食といえば禁酒禁ビフテキ、低カロリーが常識だが、医師・江部康二氏が提唱する療法は趣がまったく異なる。肉も脂っこい料理も一向に構わないし、酒も蒸留酒なら飲んでよいというのだからありがたい。カロリー制限もなく、問題になるのは糖質だけ。つまりコメ、麦、砂糖、発酵酒だけ我慢すればよい。なぜそうなのかの根拠はたいへん面白く説得力がある。糖質によって食後の血糖値が急上昇することこそが血管に「嵐」を巻き起こして諸病の原因となるのだという。

この学説をまじめに自ら実践したのが宮本輝氏で、糖質制限食により症状は劇的に改善したという。血糖のメカニズムや高血糖の怖さ、カギを握るケトン体の説明など、両氏の対談は丁々発止、わかりやすい。途中で現代の医療と食生活が直面する深刻な問題点も俎上に載せられる。ただし日本の医学界ではこの説はなぜかまだ異端らしい。人間の体の不思議を知る、目からうろこの書である。(純)

東洋経済新報社 1575円

    

関連記事
Topic Board トピックボード
人気連載
Trend Library トレンドライブラリー
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

Access Ranking
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチ
地震と原発災害<br>原発最後の選択

四国・伊方原発、北海道・泊原発の地震対策に学者から異議が相次ぐ。地震の揺れの過小評価や活断層の見落としだ。電力会社任せの対策は疑念がぬぐえない。検証方法の確立が待たれる。