よい加減の”強さ”が、よい効果

プロゴルファー/小林浩美

 疲れがたまってくると、行きたくなるのがマッサージ。ツアーを転戦していた頃は、体調管理の一環で、決まった人に長く見てもらっていた。最近は家の近所のお店に通っている。そのお店の店長がおもしろい話をしてくれた。最近、マッサージを受けに来る人が増え、店舗を拡大しているそうだ。商売繁盛するのはうれしいが、精神的な理由なのか、まったり疲れている人が多く、はっきりしない疲れ方らしいのだ。ストレスが増えているのかな、と言っていた。平日の通勤ラッシュに加え、休日は高速道路の1000円効果で渋滞、車を運転するだけでも疲れそうだ。デスクワークでパソコンに向かっている時間が長い人は、目の疲れ、肩のコリ、腰の張りが多いとのこと。こんなとき、ちょっとした時間の隙間に、人の手でマッサージをしてもらうと、本当に気持ちがよい。

さて、今回はグリップのお話。握り方は3種類あるが、今回は握り方ではなく、握る強さについて。たまに、「どのくらいの強さで握るのですか」と聞かれる。ある程度上達するとグリップを握る強さが気になってくるもの。聞かれたら、私の人差し指を差し出して、「クラブを握るように握ってください」と言う。そうすると、ギュッと満身の力を込めて握り返す人はほとんどいない。手加減してやさしく握ってくれる。実はそれでよいのだ。握られた人差し指が抜けない程度の強さが丁度よい。クラブを左手の小指、薬指、中指の3本で握ったら上下にブラブラ動かしてみる。このとき、左手の人差し指と親指は添える程度。そうすると左手首のコックがほどよくスイング中に使え、ヘッドが走るよい握りの強さになっている。ところが、人差し指と親指の2本に力が片寄ってしまうと、左手首は硬くなり腕にも力が入って、クラブを上下に動かしてもブラブラとはならない。右手のグリップも同様で、人差し指と親指に力が入り過ぎると腕まで硬くなって、融通の利かない機械のようなテークバックになりやすく、スイング中、シャフトのしなりが感じられる握り方とはなりづらい。

次にくる質問は、「両手のうち、どちらの手を強く握るのか」。私の経験では、左右同じような力の入れ具合に感じるときは吸い付いたようにクラブを握れる。どちらかの手に力が多く感じるときは、アドレスがしっくりこない。
 ここでよい握り具合を出すために、大事なことがある。それは、自分のクラブのグリップの太さが、自分の手の大きさに合っているかどうかだ。スイング中はスピードが出るので、太すぎるグリップはクラブがゆるみ芯を外しやすい。細過ぎるグリップは手が余って隙間が空き、力が入りにくい。なかなか上手く握れない人は、まずグリップの太さが自分の手に合っているかどうか、また、14本クラブ全部が同じ太さにそろっているかどうかをぜひ確かめてほしい。マッサージもよい加減の強さが、よく効きますよね。

プロゴルファー/小林浩美(こばやし・ひろみ)
1963年福島県生まれ。89年にプロ初優勝と年間6勝を挙げ、90年から米ツアーに参戦、4勝を挙げる。欧州ツアー1勝を含め通算15勝。現在、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)理事。TV解説やコースセッティングなど、幅広く活躍中。所属/日立グループ。
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