原宿ファストファッション戦争はどこへ行く?《それゆけ!カナモリさん》

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H&M

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 フォーエバー21に隣接したH&Mの店内に入ると年齢層がぐっと上昇する。20代男女や小さな子供を連れた家族、筆者と同年代の人もちらほらいる。価格帯は少々上昇するが、それでもまだ、全身コーディネートして2万円程度ではないだろうか。品質はフォーエバー21よりは少し良いように思う。1万円を超える商品はめったになく、もしかすると「安いから、まぁいいっか!」と筆者も1枚ぐらいは買ってしまいそうになる。

TOPSHOP
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 H&Mにほど近いラフォーレ原宿にはTOPSHOPが入っている。男性用はTOPMANという名前だ。価格はぐっと上昇し、ジャケットやコートのようなしっかりめの品は2万円を超える。トップショップは2006年9月に日本に進出してきた老舗といえる存在だが、ファストファッションの中では相対的に高価格帯に位置するようになってしまった。その分、品質はあくまでファストファッションの中でという限定条件付きながら、他よりも高い。ファッション性も筆者個人の趣味の中では一番良いように思った。危うく赤いフード付きにコート2万4000円をお買い上げするところであった。

ファストファッション3社の棲み分け
 各店の様子は上記の通りであるが、各店はまさに棲み分けの状態であるといえる。横軸に製品・サービスの「価格」、縦軸に「価値」の二軸を取る「バリューライン」で表現してみる。ファストファッション業界が前提なので、「価値」は「ファッション性」は高いことが大前提なので、あえて「品質」とする。

 安くてそれなりの価値のもの=「エコノミー戦略」。これはフォーエバー21だ。中間価格で、中間的な価値のもの=「中価値戦略」。これがH&M。高くて価値の高いもの=「プレミアム戦略」。これがトップショップである。つまり、各店はバリューライン上で棲み分けをしているのである。

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