市場縮小をはね返せるか、ゼネコン一発逆転の秘策《特集・不動産/建設》


 建設市場の縮小が止まらない。元請け完成工事高を見ると、ピークの1996年86兆円からほぼ一直線に減少し、2007年には52兆円まで落ち込んだ。深刻なのは、民間も公共工事もほぼ同様の軌跡で減少していることだ。

問題は市場の縮小だけではない。利益率の低水準化も著しい。

前09年3月期の上場ゼネコンの売上高経常利益率を見ると、3・0%以上だったのは、わずか5社。ほとんどの上場建設会社が2・0%以下からマイナスの水準にひしめく。

こうした収益力の低下で株式時価総額も下落した。建設会社の世界ランキングを見ると国内最高ランクの清水建設でやっと60位。以下、大林組が61位、鹿島が65位、大成建設が79位となっている。国内最高位の清水建設でも世界首位のわずか8分の1という惨状だ。

ゼネコンの利益率についてはもう一つの傾向がある。上場ゼネコンの売上高利益率ランキングでは、上位に来るのが中堅、次に準大手で、大手4社はその下に来る。つまり、受注額や売上高が大きいほうが、売上高利益率が小さいのだ。

理由はいくつか考えられるが、まず第一に、売り上げ規模至上主義からの脱却の度合いがある。現在、建設業界でも、遅ればせながら売上高至上主義から利益主義への転換が叫ばれているが、中堅や準大手のほうが意識転換が進んでいる。

中堅、準大手からは、「単なる売り上げ規模の拡大は追求しない」(朴木義雄・高松コンストラクショングループ社長)、「利益なき工事は受注しないという意識を徹底させている」(岐部一誠・前田建設工業総合企画部長)などの明確な方針が示されるが、残念ながら大手からは、そのような言葉があまり聞かれない。逆に、受注競争が厳しいために利益確保の難しいモニュメンタル(記念碑的)な大規模プロジェクトの受注には、大手ほど熱心だ。

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