安倍首相、岩盤規制はドリルでは壊せません マネーの反乱は、再び起きるか?

✎ 1〜 ✎ 15 ✎ 16 ✎ 17 ✎ 最新
拡大
縮小

中野 結局、昨年の11月前後と同じ水準に戻っただけですからね。年末にかけて大きく上昇したことの揺り戻し程度だと見ています。 

今は、上がりすぎたマーケットの調整局面

渋澤 でも、この先、日経平均株価がもう一度1万6000円を抜くためには、何が必要なのだろう。 

中野 私は今、けっこうポジティブですよ。正直、今のマーケットって、すごくいい加減だと思いません? FRBのイエレン新議長の発言にしても、市場参加者が、それぞれ自分たちにとって都合のよい解釈をしているのでは? テーパリング(量的緩和縮小)を継続することを示唆した発言に対して、新興国の株価が上昇するなどというのは、まさにその典型例でしょう。

3人で「朝ロイホ」。中野さんと藤野さんは、フレンチトーストセットを食べました!

今までだったら、米国がテーパリングを継続するなら、リスクオフで新興国の通貨は下がり、株価も下がるはずです。要するに、マーケットのマインドがどう動くかによって、相場が揺らいでいるだけなのですよ。

だって、新興国通貨の下落リスクに関しても、最近になってにわかに浮上した問題ではなく、かれこれ1年くらい言われ続けていることじゃないですか。それがたまたまクローズアップされただけのことでしょう。それに、アルゼンチンの経済危機が言われていますが、アルゼンチン経済の規模はギリシャよりも小さいわけで、仮にアルゼンチンが再びデフォルトしたとしても、その影響は軽微です。

渋澤 でも、何かなければ1万6000円を超えることはないでしょう。藤野さんはちょっと弱気? 

藤野 マーケットに負のエネルギーがたまっていて、それが2月に入ってからの株安につながったのだと思います。だから、雪崩みたいなものですね。僕自身の見方は、弱気ということでもなくて、まあ、「単なる調整」だと思っています。昨年11月、12月にかけての上昇スピードが速すぎましたからね。だから、「ひふみ投信」もキャッシュ比率は低いままでした。なぜ、そんなに強気なんですかと聞かれたりもしましたが、この下げ自体は短期間で終わると思っていますし、そこでドタバタ売買をしても仕方がないと考えています。あまり心配はしていません。

渋澤 一部の国内の機関投資家はだいぶ売ったと聞いています。 

藤野 その一方で、1月に入ってからの個人買いは、過去最高のペースでしたね。あと、外国人投資家は売り越していた。

次ページNISAに気がかりなところが……
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT