親が考える以上に、子供は頑張っている 子供はいつか、親なしで生きていくもの

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親が考える以上に子供は頑張っています

別の知人の子はロスでバイト生活を続け、大卒なのに定職でないと親を心配させています。今はマニラで旅行会社のバイトをして、やはり不安定。親の心配は尽きず、帰国して定職に就くように促し、本人もそれを望んでいるようですが、今のところ、うまくいっていません。

ある青年は日本の国立大学院を出て、アメリカでまた大学院生活を5年送りました。帰国して大学の教員を目指していますが、数年たった今年でさえ、週に1コマか2コマしか担当させてもらえず、アパートの家賃すら稼げないそうです。

いずれの若い人もたくさん勉強し、決して怠け者ではありません。ある価値観から見れば、彼らの一時期はとても怠けているようにみえたり、不遇であるかのように映りますが、見方を変えれば、買ってでもしなければならない苦労の体験中なのかもしれません。

人生は縁と運と努力とタイミング! 親が心配したり、本人が望むだけで決まるものではなく、本人がいちばんもがき、苦しみ、模索し、夢を抱き、頑張っているはずです。

エールを送る気持ちで、信じて放っておきましょう

繰り返しになりますが、生半可な気持ちで異国で長く暮らせるものではありません。親がわからない相当な努力をされ、苦労を経験し、夢を捨てず、頑張っておられるのは想像にかたくありません。

世界の“こんなところまで?”と思われる不便なところで、生き生きと暮らす日本人の、興味深いテレビ番組がありますね。それ以外にも、海外で、その場所でひそかに花が咲くように、それでいて本人はとても幸せと感じるさまざまな生き方を知る機会が増えています。このような世界を知ることは、私たちが子供を理解するうえでとても役に立つと思われます

過去の当コラム、「千尋の谷へ突き落としてこそ、子は成長する:厳しくない愛は愛ではない」で触れましたが、厳しい愛情を持って子供に自立を促す時期もとうに過ぎています。ましてあなたの場合は、子供さんのほうから自立し、頑張っておられます。

私たちの価値観や変化を不安視する安定志向で、子供の足を引っ張る権利は親といえどもありません。

愛情を持って、信じて放っておきましょう!

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ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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