第2回 エコライフと団塊世代

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小

環境先進国とされるドイツ。原発事故の時にはドイツでもデモが盛んに行われた。「環境先進国」になった原動力は「ドイツの団塊世代」の存在が大きかった。

「緑の党」の登場

緑の党は「環境先進国」をイメージさせる代表格だ。環境問題は戦後の大量生産・大量消費に伴う公害などの負の面が出てきたことが直接的なはじまりだが、西ドイツ(当時)では1971年に環境保護は国の公の役務ということになった。緑の党は1980年に設立されたが、それ以前から各地方であった運動が結実したかたちだった。
 設立から3年後の1983年には連邦議会で議席を獲得。1998年からはドイツ社民党との連立で与党にまでなった(2005年まで)。その後、下野するが、昨年は地方選挙で注目が高まる。バーデン・ヴュルテンベルク州の州議会議員選挙では福島原発事故をうけるかたちで、緑の州知事が誕生した。同州は58年間、保守政党キリスト教民主同盟が政権を担っていたところだった。

今日、環境問題はどの政党も考えなければならない課題であるが、緑の党の登場は、20世紀の政治の大きな特徴といえるだろう。

次ページドイツ団塊世代の社会的影響
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT