第1回 これがドイツのビール文化だ!

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ビール祭りは「5番目の季節」

お客はといえば、もちろん観光客もいるが、どちらかといえば地元や周辺の町の人。期間中に筆者は20代の若者に「祭りはもう行ったか」と聞いたことがあるが、目を輝かせながら「エアランゲンの人間なら、行くのは当然っすよ!」という返事がかえってきた。
 法的には16歳からビールが飲めるので、若者はその年になると「ビール祭り正式デビュー」だ。

同市は大学町でありグローバル企業シーメンス社の一拠点でもあるが、そのため長期滞在の外国人も多い。そんな彼らも一緒にビールジョッキを傾ける。またお盆になると故郷に帰ってくるように、エアランゲンの出身者もビール祭りにあわせて戻ってくる。

最近の日本では浴衣が見直されているが、それと同様、ドイツでも民族衣装が復活。民族衣装を着て祭りにやってくる人が数年前から増えた。町の衣料品店は地元紙に「伝統的な服を着てビール祭りへ」といった広告をだし、メインストリートにある百貨店のショーウィンドウには伝統衣装のマネキンが立つ。

余談ながら、ビールと伝統衣装という出で立ちのドイツのイメージは、ミュンヘンやエアランゲンなどが位置する南ドイツのイメージだ。だから日本にやってきた北ドイツの人がこのイメージに出くわすと、ちょっと違和感をもつケースもあるようだ。
 ともあれ、この祭りの12日間は「5番目の季節」と呼ばれており、町とビールと人々が祭りでつながっているのがよくわかる。

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