「働かないオジサン」は40にして惑いっぱなし 「このままか、辞めるか」という二者択一は危険信号

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どこの職場にもいる、「働かないオジサン」――若手社員の不満が集中する彼らは、なぜ働かなくなってしまったのか? 「どこの職場にもいる」ということは、何か構造的な問題が隠れているのではないか? ベストセラー『人事部は見ている。』の筆者が、日本の職場が抱える問題に鋭く迫る。
時には、立ち止まって生き方を見直すことも重要だ。(写真はイメージ。撮影:今井 康一)

なぜ人は、40歳から揺らぐのか?

前回は、20代から50代の間に、働かないオジサンの予備軍が多く生まれることについて書いた。それでは実際には、いつ頃からそうなるのだろうか?

私はこの10年間、会社員から起業・独立した転身者150人に話を聞いてきた。大半は、中高年以降に転身した人たちだ。そこで気づくのは、早い人で30代後半、普通は40歳を超えたあたりから「このままでいいのだろうか?」と揺れ始める人が多いことだ。

私は、同期入社した仲間と定期的に会って話をしてきたが、職場や仕事の話題から、家族や終の住処、定年後の自分の行く末の話に移行し始めたのが、40歳過ぎあたりからだっだ。

なぜ40歳なのか。組織の中で一定の役割を獲得するために、若いうちはどうしても会社中心の働き方になる。入社してから10年なり、15年なりの期間は、組織の中で自分を作り上げる取り組みに終始せざるをえないからだ。

いろいろ見解はあろうが、若い頃に組織の仕事に懸命に取り組むことには、私は肯定的な印象を持っている。しかし40歳あたりを過ぎると、会社中心の働き方の一面性に疑問を感じ始める人が多い。

組織での役割に満足していなかったり、自分に向いた仕事を組織内で見つけられないと、特にそうなりがちである。

また40歳あたりまでに、昇進や専門性の向上に力を入れて一定のポジションを確保したとしても、それと同じやり方では人生80年を乗り切れないと感じ始めることも大きい。

次ページ偉い人は「四十にして惑わず」と言ったが……
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