来夏営業開始、N700Sは「最強の新幹線」になるか 北海道から九州まで、鉄道版「名車列伝」

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そして2018年春にN700Sの確認試験編成が登場した。各機器に最新技術を適用して小型軽量化し、先頭部もさらに最適化したデザインに変更して最高速度を時速360kmでの走行を可能とするのが目的だという。

量産車は2020年夏ごろに登場の予定だから、厳密には“現役”とはいえないのかもしれない。けれど、最初に記したようにリニア中央新幹線の開業が夢のものではなくなった現在、東海道新幹線向けの新型車として究極の存在となるかもしれないこの電車は、やっぱり“最強”に間違いない。今日、身をもって実感させられたことであった。

「E5系/H5系」東北・北海道の俊足

2011年3月の東北新幹線新青森開業に際して“はやぶさ”として時速300kmでの営業運転をスタートした、JR東日本の最速ランナーがE5系である。

青函トンネルとE5系(写真:T2/PIXTA)
H5系のグランクラス(撮影:尾形文繁)

乗客向けのサービスとしては“グランクラス”という新しい上級のカテゴリーを設けたことが画期的で、それをアピールするためもあってか、車体のカラーリングも一目ではやぶさと判る、これまでにない色調とデザインが採用された。

グランクラスは編成の青森方先頭車を使った新しいカテゴリーで、アテンダントによる飲食の提供も実施されている。かつて東海道・山陽新幹線100系に存在した食堂車やグリーン個室を思い起こさせる。

E5系は、2016年春の北海道新幹線の新青森と新函館北斗の間が開業するのに際してJR北海道に姉妹車H5系を生んだ。フォルムや基本的なカラーリングはE5系と同じだが、外観では車体窓下のストライプがピンクからラベンダーに変更され、独自のロゴマークを描いている点が異なる。

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