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スマートシティは電力システム、成長戦略の要

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2016年をめどに家庭部門の電力も自由化され、街の中で電力を上手に作り、使う「スマートシティ」が実現に向けて動き出す。「スマートシティは日本の成長戦略の要」と訴える東京工業大学先進エネルギー国際研究センター長の柏木孝夫・特命教授に、スマートシティの行方を尋ねた。

新たな電力ビジネスを創る
電力規制改革

―― 2014年を迎えた今、スマートシティをどう捉えるべきでしょうか。

東京工業大学特命教授
先進エネルギー国際研究センター長
総合エネルギー調査会基本政策分科会委員
柏木 孝夫(カシワギ タカオ)
1946年生まれ。70年東京工業大学工学部卒業、79年博士号取得。80~81年米国商務省NBS(現NIST)招聘研究員。83年より東京工業大学助教授、88年東京農工大学教授、96年に九州大学教授を併任。07年から東京工業大学大学院教授に就任し、同大学先進エネルギー国際研究センター(AESセンター)長となる。12年から特命教授。13年からは東京都市大学教授も務める。
日本エネルギー学会会長、低炭素投資促進機構理事長、コージェネレーション・エネルギー高度利用センター理事長、新エネルギー導入促進協議会の代表理事など、長年国のエネルギー政策づくりに深くかかわる。13年7月の経済産業省審議会再編に伴い、総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会の分科会長に就任。

柏木教授 2010年から14年までの5年計画で、横浜市、豊田市、けいはんな学研都市、北九州市の4カ所でスマートシティ/コミュニティの実証実験が行われていますが、実現への道筋はまだ見えにくいのが実情です。しかし、新たなエネルギー基本計画が閣議決定され、電力自由化、エネルギーシステム改革の道筋が定まれば、スマートシティも本格的に動き出すでしょう。

―― スマートシティは、日本にとってどんな意味があるのでしょう。

柏木 金融緩和から始まったアベノミクスを持続的な成長につなげるには、成長戦略が欠かせません。そこで政府がとれる最も効果的な施策は、規制改革に尽きると思います。特に、電力業界はこれまで堅固な規制に守られてきました。それは戦後経済成長を支えた電力の安定供給に貢献してきましたが、現代はICT技術による、きめ細かな電力制御が可能で、規制に頼る必要はありません。16年の家庭部門の電力自由化を機に16兆円規模の電力市場に新規参入者を取り込み、新たなビジネスモデルを構築することで、エネルギー産業は貴重な成長分野になるでしょう。なかでも、デマンド側を制御して新たな価値を生み出す、スマートシティ/ハウス事業は、エネルギー関連の成長戦略の要です。

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