「フェイスブック」から抜け出す具体的方法 デジタル・ミニマリストになるには

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「初めの1週間、3つから4つの都市の1時間ごとの天気予報をいつでも把握していました」。何かを閲覧したいという衝動は、無視できないほど強かった。それでも、2週間後の様子をダリアはこう報告している。「(ネットで何かをチェックしようと思うことは)ほとんどなくなりました」。

ステップ2:この30日間に、楽しくてやりがいのある活動や行動を新しく探したり再発見したりする。

デジタル片付けを単なるデトックスと考えてはいけない。デジタル片付けの目的はテクノロジー利用を一時的に休むことではなく、あなたのデジタル・ライフを永続的に変えるきっかけを作ることだ。デトックス期間はその変化を助けるステップの1つにすぎない。

デジタル“以外”の楽しみを見つける

そう考えると、期間中は自分が決めたテクノロジー利用のルールを守るだけではすまない。デジタル片付けを成功させるには、常時オンの光り輝くデジタル世界の外に、これは大事だと思えること、楽しいと思えることを再発見しなくてはならない。さらにいえば、リセット期間が終わってテクノロジーの再導入を始める前に、それを見つけておくことが極めて重要になる。

ここで明るいニュースを1つ。私の集団実験の参加者は、スクリーンのとりこになる以前に親しんでいた活動を意外なほどすぐにまた楽しめるようになったことだ。

大学院生のウネイザは、夜の時間を、いつもレディット(ニュースサイト)を眺めるのに費やしていた。リセット期間中は学校や近所の図書館から借りた本を読むことにした。「そのひと月で8冊を読み終え、9冊目に取りかかりました」。ウネイザはそう報告した。「そんなにたくさん本を読むなんて、実験前は考えたことさえありませんでした」。

クッシュブーはリセット期間中に5冊読み終えた。これは彼にとって大きな成果だった。自分の意思で本を選んで読むのは3年ぶりだったからだ。また、絵を描いたり、コンピュータープログラムを組んだりといった趣味も再開した。「絵もプログラミングも、前はあんなに好きだったのに、大学に入って以来、遠ざかってしまっていました。そんな時間はないと思いこんでいたんです」。

ケイレブは、主体的に取り組めそうなアナログな活動を探した結果、毎日就寝前に日記を書いたり読書をしたりするようになった。ほかにも、レコードプレーヤーでレコードを頭から終わりまで聴くようになった。イヤフォンは使わない。ちょっと退屈になってもその曲を飛ばすボタンもない。これまでは、音楽配信アプリのスポティファイを起動してそのときの気分にぴったりの曲を探していたが、レコード1枚をじっくり聴くほうがずっと豊かな経験であることに気づいたのだという。

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