「MBAで学んでも結果が出ない人」の残念な理由 コンセプトが使いこなせない3つのパターン

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例えば、ビジネスをするのであれば、会計やファイナンスといったお金の知識は必須ですし、あるいはマーケティングや戦略論、リーダーシップ論などを知らないわけにはいきません。これらは長年の研究やコンサルティングの実務などから導き出されてきた先人の知恵の結晶であり、それを有効に活用したほうが、やはりビジネスで結果を出しやすいからです。

また、自然科学の法則ほどの普遍性はないまでも、多くのコンセプトは万国共有で使えることから、グローバル化するビジネスシーンにおいて、ビジネスの共通言語としてこれらを使いこなすことは、やはり必須なのです。

MBAのコンセプトが使いこなせない3つのパターン

筆者は長くビジネス教育や実ビジネスに携わってきましたが、MBAで学ぶコンセプトやフレームワークがうまく活用できていないケースも数多く見てきました。その中でも典型的なのは以下の3つのケースです。

①そもそもそのコンセプトに対する理解が間違っている、あるいは表層的理解にとどまっている(本質が理解されていない)
②コンセプトやフレームワークのアップデートができていない(時代の変化に合わせたチューニングができていない)
③そのコンセプトの一面しか見えておらず、「落とし穴」にはまってしまう

今回はこの3つについて見ていきましょう。

パターン①:表層的な理解に終わっている

まず①は、経営学を独学で学んだ人によくあるケースです。例えば「5つの力」のフレームワークは、業界の儲けやすさ(業界に利益が留保される度合い)を知るフレームワークとしてかなり有効です(実際に図を描くかどうかは別ですが、そうした発想ができるだけで、業界を見るセンスが違ってきます)。

しかし、独学でこのフレームワークを学んだ人は、本来知りたいそうした意味合いを引き出せず、単にプレーヤーを並べて満足してしまったりするのです。

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