政府税調が法人税改革に着手

6月「骨太方針」念頭に論点整理

2月13日、政府税制調査会(首相の諮問機関)は、安倍首相が意欲的な法人実効税率引き下げを含む法人税改革について本格的な議論を開始した。写真は2011年8月、都内で撮影(2014年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 13日 ロイター] -政府税制調査会(首相の諮問機関)は13日、安倍晋三首相が意欲的な法人実効税率引き下げを含む法人税改革について本格的な議論を開始した。

政府税調の下に「法人課税ディスカッショングループ(DG)」を設置し、座長に元経済財政担当相の大田弘子・政策研究大学院大学教授を充てることを正式決定した。3月上旬にも第1回会合を開き、政府の経済財政諮問会議が6月にまとめる「骨太方針」も念頭に論点整理を行う。中里実・税調会長が終了後の会見で明らかにした。

ディスカッショングループでは、法人実効税率のあり方、課税ベースのあり方、政策効果の検証、他の税目との関係などについて、専門的見地から幅広く検討を行う。

ただ、中間報告書のとりまとめなどについては未定。中里会長は「(DGでは)骨太方針や成長戦略の時期も念頭におきながら、しかるべく論点整理を行っていくことになると思う」とする一方「(政府税調として)早急に結論を出すことには必ずしもならないのではないか。情勢の変化を頭に入れながらやっていく」と述べるにとどめ、中間報告書のような形で一定の方向感を示すことになるかは未定だ。

きょうの会合では、法人実効税率引き下げを前提とした議論が多数展開された。DGの座長に任命された大田氏は「経験に照らすと、法人税改革は、総論賛成・各論反対で、気が付けば周りは壁だらけとなるが、日本経済は重要な局面にある。今度こそ、法人税を正面から議論しなければいけない。グローバル化のなかでの法人税のあり方について正面から考えるべき」と実効税率引き下げを含む改革に意欲を示した。

焦点の代替財源に関連して、出席者からは「法人課税のなかでの税収中立は近視眼的。他の税目も合わせた議論を進めるべき」、「単年度税収中立にこだわる必要はない。時間軸、地方税など他の税目を含め考える必要。ただ、公平・簡素・中立の観点から、租税特別措置について抜本的な見直しを進めるべき」など、税体系全体のなかで議論を進めるべきとの主張が複数示された。

法人税改革については、政府の経済財政諮問会議(議長:安倍首相)、与党税制調査会などでも検討が進められる。役割分担は明確ではないが、具体的な制度設計は与党税調が年末の税制改正の議論のなかで詰めるため、当面は、安倍首相が意欲を示す実効税率引き下げについて、政府の「骨太の方針」で一定の方向性を示せるかどうかが焦点になる。

政府税調も骨太の方針を念頭に議論を進めるが、代替財源として浮上する租税特別措置の見直しや欠損金の繰越制度見直しには財界の反発も強い。地方財政の基幹税である地方法人2税の見直しには地方の反発も根強い。実効税率引き下げによる政策効果も含め、専門的な検証を進めるなかで、現実的な路線を模索することになりそうだ。

(吉川裕子)

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