MBA経営代表・山田修(Part2)--現場の話を聞き、何がうまくいく方法かをかぎ分ける能力が必要

MBA経営代表・山田修(Part2)--現場の話を聞き、何がうまくいく方法かをかぎ分ける能力が必要

■ CEOへの道は、職業としての”社長”を選び、第一線で活躍するプロによるトークセッション。将来、経営層を目指すオーディエンスに、自らの経験とノウハウを語る。

--ポント・データ倒産後、香港上場の華僑企業・王氏港建日本へ移られました。香港最大のエレクトロニクス・OEMメーカーということですが、業種の違いは気になりませんでしたか。

無鉄砲なので気になりません。同じ業種をやっていても面白くないし、意味がないということです。

他の業種をやることで前のポジションでの経験値が生きてきます。どこの業種、業界に行っても、「山田はこのビジネスがわかるのか」と言う人はいるわけです。コンピュータランドにいたときも、文系の私に「コンピュータのことがわかるんですか?」と古手の幹部に直接言われたり、社内でコソコソささやかれたりしたものです。私からすれば、あなたたちが何十年と会社を動かしてきた結果、大赤字となったのでしょう、今までのやり方じゃダメだと本社が判断したから私が来たんでしょう、と思うんですよね。

同じ業界の経験値は古くなるし、どんどん価値が下がります。他の経験値やセオリーを持ってこないと立て直しはできないんです。私の場合ですと、社長歴や大学院などで学んだ経営学のセオリーが新天地で強みとなるわけです。

--バブル崩壊後も、マクロ的な経済環境と関係なく売り上げを伸ばしていますね。王氏港建日本では、日本からの売り上げ貢献が本社の6割という実績を残されています。次のフィリップスライティング(以下、フィリップス)でも、過去3年間で150億円から75億円まで半減していた売り上げを、96年第4四半期に着任されて翌年すぐに前年比35%増まで伸ばしています。どのような手を打たれたのでしょうか。

98年の業界成長率はマイナス13%と、今と同じような厳しい状況だったのですが、当社だけ売り上げが対前年比50%増、離任した99年には200億円を超えていました。3年かけて売り上げを3倍強に伸ばしたというわけです。

簡単に言えば、やり方が変わったから、売り上げが変わったんです。ただ、着任してあっという間に何か素晴らしいアイディアを私が考え出して結果を出したわけではない。基本的に、社長1人では何もできません。全情報がCEOに集まり、全知全能であるCEOがいちばんいい戦略を作れるのだというビジネスモデルは間違いですね。

いろいろな幹部や社員の話を“聞く耳”にかかっているんです。「この人の言うことは筋がいい」「この人の提案はきっとうまくいく」など、何がうまくいく方法かをかぎ分ける能力が、経営者には必要だということですね。

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