「リスク顕在化の懸念があれば政策調整」 黒田日銀総裁、衆院予算委員会で

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2月12日、黒田日銀総裁は、今後も異次元緩和を「きちんと実行」し、上下双方向のリスクが顕在化する懸念があれば、ちゅうちょなく政策調整すると語った。写真は昨年11月撮影(2014年 ロイター/Issei Kato)

[東京 12日 ロイター] -黒田東彦日銀総裁は12日午後の衆議院予算委員会で、今後も異次元緩和を「きちんと実行」し、上下双方向のリスクが顕在化する懸念があれば、ちゅうちょなく政策調整すると語った。浅尾慶一郎委員(みんな)の質問に答えた。

浅尾委員は、日銀が異次元緩和のもとで進めている長期国債などの買い入れについて、額ではなく保有資産に対する比率が一定になるように変更してはどうかと提案した。

これに対して黒田総裁は「市場にはフローの買入額あるいは買入率をみている参加者もいるが、理論的には長期国債の買い入れ効果は保有残高が最も重要」と指摘。続けて「委員指摘の点も含め、今後も量的・質的金融緩和をきちんと実行し、長期国債の保有残高が年間50兆円増えるテンポで緩和を進めていきたい」と語った。

こうした方針の下で「上下双方のリスクはあり得る」とし、「リスクが顕在化する懸念があれば、ちゅうちょなく政策を調整したい」と語った。

また、現行の異次元緩和は「十分に効果を発揮している」と強調し、「金利についても、グローバルに金利が上昇している中で、日本の金利は低位で安定している」と語った。

(伊藤純夫 編集:内田慎一)

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