『一番年齢の近い先輩とは10歳差が…』(30歳男) 城繁幸の非エリートキャリア相談

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処方箋:『奉公が辛い分、チャンスも多い』

 ではキャリアパスという点ではどうでしょうか。

 一般的に、年功序列型の組織においては、数の多い世代ほど締め付けが厳しく、数が少ない世代ほど緩い、という傾向があります。組織のピラミッド構造を維持しようとする力が働くわけですね(数の多い世代がみんな昇格したら頭でっかちになりますから)。

 おそらく数が多いと思われる40~45歳あたりの社員間では、ポストを巡っての熾烈な競争が行われ、全員が管理職に就くという事態はまずありえないでしょう。そして、一定期間の間に昇格できなかった従業員は、基本的にもうポストに就くことはありません。年功序列組織には、登用に際し、年齢の下限だけでなく上限もあるのです。

 つまり、上のポストに空きが出れば、お鉢は次世代のあなたに回ってくる可能性が高いはずです。

 同じ理由から、「毎年安定した数の新人が配属される部門よりも、滅多に配属されない部門の方が出世しやすい」という現象は、割とメーカーなどではよく見られます(まあこれはこれで問題なのですが)。

 「もう丁稚奉公はいやだ!」というのならともかく、現在の業務自体に満足されているのなら、特に心配される必要はないでしょう。

 最後に一つだけ注意事項を。

 会社で長く同じ部署にいると、そこのカラーに染まってしまう傾向があります。近い年代の同僚がいない場所で何年も過ごすうち、「20代にして20年選手の風格」を持ってしまう人がたまにいるので、時々は大学の同期や後輩とでも飲みに行ってください。

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