東京近郊の目立たなくて残念な「ミニ路線」10選 日帰りで楽しめる私鉄や三セクの名脇役

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2)東武小泉線(東小泉―西小泉)

館林と太田を結ぶ東武伊勢崎線は足利市経由であるが、同じく館林と太田を結ぶ小泉線は、その名のように東小泉経由となっており、東小泉―西小泉を結ぶ支線もある。

小泉線の終点の西小泉駅。群馬県大泉町にある(筆者撮影)

ただし、電車の運行としては、館林―東小泉―西小泉と東小泉―太田間に分かれていて、太田に到着した電車の多くは桐生線に乗り入れて赤城まで直通する。こうした事情や歴史的経緯もあり、小泉線の本線は館林―西小泉であり、東小泉―太田は小泉線の支線扱いとなっている。

さて、館林発の小泉線の電車は、すべて各駅停車の西小泉行きである。東小泉で太田方面への線路と分岐すると、単線のまま進み、小泉町に停まり、その次が終点の西小泉となる。

東小泉、小泉町、西小泉とすべて大泉町にあるにもかかわらず、駅名はすべて小泉となっているのが面白い。鉄道開業時は小泉町であり、その後大川村と合併して大泉町になったからであろうか?

幹線に化けたかも?

大泉町には大きな工場がいくつかあり、いずれもブラジル人など外国人が働いていることから町内には異国情緒豊かなお店などが多い。

大泉町は国際色が豊かな町だ(筆者撮影)

したがって、終点西小泉駅には、「ブラジルを楽しもう!」といった看板が掲げられていて異彩を放っている。

かつては、利根川沿いまで仙石河岸線という貨物線が延びていた。さらには利根川を越えて廃止となった東武熊谷線とつないで熊谷駅まで乗り入れる計画もあったのだが果たせず、現在の形に落ち着いている。幹線に化けたかもしれないと想像すると無念さが漂う終点の西小泉駅である。

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