「フェリス女子」は、お嬢様学校ではない! フェリス女学院、田部井善郎校長に聞く

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――順位も出さず、競わせない、という自由な環境下で、どのように主体的に勉強に向かわせるのでしょうか?

取材時にお邪魔した図書館では生徒たちが熱心に勉強中だった

確かに、難しい問題ですよね。ただ、口うるさく言って生徒を勉強させるのは簡単かもしれませんが、それではダメです。生徒には「なぜ」「誰のために」勉強するのか、その意義を徹底的に考えさせます。そうしたことを考える「修養会」という宿泊もあります。そこでは勉強に限らず、生きることの意味についてのほかに、スクール・モットーである「For Others」という概念について、生徒たちでディスカッションしたりもします。

フェリスのOGは社会に出てから輝く!

その結果、今の恵まれた境遇を自分たちのためだけに使うのはだめだという姿勢を学び、勉強できる環境に感謝するようになります。そして、大学受験について考える際にも、「進学」ではなく、「進路」という考え方をする生徒が多いですね。

なぜ勉強するのかということを考えるだけで、主体的に動く生徒ができます。大学受験のためだけに勉強するわけではないので、「燃え尽き症候群」にならずに、その後も自然と成長できるようになります。ですから、フェリスのOGは社会に出てから飛躍する生徒が多いですね。

――何かユニークなカリキュラムはありますか?

ユニークかどうかはわかりませんが、教養主義的なところはあると思いますね。特に高校3年では、生徒が単位を大幅に選択できるようになっているのです。ですから、授業が入っていない生徒はその時間は自由時間です。大学生活のような感じですね。個人個人によってカリキュラムが異なります。生徒は自分の興味の向く方向に勉強していけばいいと思います。もちろん、押さえるべき科目は必修になっていますから、「広く浅く」ではなく「広く深く」勉強してほしいと思っています。

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