LINEにマネジメントが必要な社員はいらない 強い経営チーム・組織を創る(その3)

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「褒める、しかる、誇りを持たせる」

岡島:言葉を大事にされるということで言うと、熊谷さん、スピリットベンチャー宣言は皆で唱和されるんですか?

熊谷:週に1回、幹部は全員で唱和しています。部署によっては抜粋して、毎日唱和している部署もあります。あとは全員が集まったときには、それこそスカイプで全世界同時に唱和したりしています。

岡島:少しずつ言葉が入れ替えられたりもしているんですよね。

熊谷:基本的に過半の経営メンバーが賛同したら、絶えず入れ替えていいということになっています。新卒の仲間たちが考えてくれた言葉も入っているし、僕が創業時から言っている言葉も入っています。

岡島:グループ経営とか、本社とか親会社といった言葉は使わないとか。

熊谷:それは言葉というか、スピベン(スピリットベンチャー宣言)とは違う観点なのですけれども、フラットな組織にして、上下関係をなるべくグループ内で作らないようにしています。

うちのグループでは基本的に「子会社」という言葉は禁句。あと「買収」という言葉もM&Aというのも禁句。従業員という言葉も禁句。仲間とかスタッフ、グループ会社、仲間作り。M&A担当の役員がいますけど、肩書きは「仲間作り担当役員」になっています。

言葉ってすごく大事じゃないですか。あと視点もすごく大事で、皆で一緒に革命をしているという視点を持っているので、上下関係は作らない。唯一例外として、有価証券報告書は子会社という言葉を使わないといけないので、使っていますけれど、それ以外ではいっさいないです。ちょっと意味は違いますが、言葉は大事にしています。

岡島:やっぱりそれ自体が独り歩きして意味を生み出してしまうことがあるので、気をつけているということですか?

熊谷:グループが大きくなっていますし、今は上場企業がグループに6社あって、東証1部が2社、マザーズが1社と、ジャスダック3社ですが、それぞれが皆、誇りを持って自分たちの事業を推進していますから、上下の目線というのは絶対作らないようにしています。人や組織が自走式になるためのコツは3点あって、「褒める、しかる、誇りを持たせる」なんです。褒め、しかりは皆やるじゃないですか。

でもいちばん大事なのは誇りを持たせるという仕組みなのです。自分がやっていることの意味合いを皆よく理解して、社会にどういうふうに影響を与えるのかという意味合いもよく皆に理解させて、誇りを持たせると自走式になる。

たとえばうちはドメインの商売をしていますが、ドメインの販売をしているチームはドメインを売っているとは思っていません。Webサイトを増やしていると思っているのです。Webが増えると情報が増えて、皆が便利になって豊かになるじゃないですか。そういうような、言葉もそうだし物事の視点もそうだし、そういうものをわかってチーム作りをしています。

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