マツダの今期営業益予想は過去最高 4年ぶりに復配へ

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2月5日、マツダは、2014年3月期の連結業績予想を上方修正した。為替での円安効果が寄与し、営業益は6年ぶりに過去最高を更新する見込み。都内で2010年4月撮影(2014年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 5日 ロイター] -マツダ<7261.T>は5日、2014年3月期の連結業績予想を上方修正した。円安効果が寄与し、営業利益は前の期に比べ3倍超となり、6年ぶりに過去最高を更新する見通しだ。業績好調と事業環境の改善を踏まえ、今期は4年ぶりの復配も計画することを決めた。

今期の営業利益予想は1800億円。従来は1600億円を見込んでいたが、円安効果やコスト削減も貢献し、200億円上積みした。これまでの最高だったリーマン・ショック以前の08年3月期実績1621億円を上回る。トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト19人の予測平均値1834億円とはほぼ同水準となる。

今期の売上高予想は同21.5%増の2兆6800億円(従来は2兆6500億円)、純利益予想は同3.2倍の1100億円(同1000億円)にそれぞれ上方修正した。

純利益も営業利益同様、08年3月期(918億円)以来の過去最高となる見込み。期初予想では無配としていた期末配当については1円を計画する。3円で実施した10年3月期以来、4年ぶりの復配となる。

小飼雅道社長は決算会見で、「数年前から行ってきた構造改革が確実に実を結んできた」と業績を評価。販売拡大や収益向上に向けて新世代モデルの開発や量産を進めており、「これからが構造改革の正念場。今後とも気を引き締めていきたい」とも付け加えた。

利益還元については「最重要課題」としてきた復配の実現に加え、構造改革を進めるにあたって苦労したグループ社員に対して「最大の報いをしたい」と述べつつ、「当社の体力も併せて考え、バランスを取りながら、労使協議の場で双方が納得できる合意を得たい」と語った。

<今期世界販売は1万台下方修正、タイ需要減で>

通期の想定為替レートは、1ドル=99円(従来は97円)、1ユーロ=133円(同128円)に円安方向へ見直した。円安により、従来予想との比較では今期の営業利益を200億円押し上げる効果がある。

同時に発表した13年4―12月期の連結決算では、営業利益が前年同期比6.3倍の1245億円になった。通期予想に対する進ちょく率は69.2%。売上高は同26.4%増の1兆9402億円、純利益は同3倍の774億円だった。

一方、今期の世界販売計画は132万5000台と従来の133万5000台から1万台減らした。反政府デモによる混乱が起きているタイでの需要減を織り込んだ。小飼社長は、タイでの政情不安による販売への影響が「今年の中ごろくらいまで続く」との見方を示した。

(白木真紀)

*内容を追加します。

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