三菱自、4―12月期は過去最高益に 新車効果や円安が追い風

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2月5日、三菱自動車が発表した2013年4―12月期連結決算によると、営業利益は前年同期比2.3倍の963億円だった。円安やコスト削減が寄与し、9カ月累計として過去最高益を更新した。都内の本社で昨年5月撮影(2014年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 5日 ロイター] - 三菱自動車<7211.T>が5日発表した2013年4―12月期連結決算では、すべての利益段階で9カ月累計として過去最高を更新した。円安効果やコスト削減が寄与した。14年3月期通期での利益予想は昨年末に上方修正しており、今回は従来見通しを据え置いた。

4―12月期の営業利益は前年同期比2.3倍の963億円、売上高は同18.4%増の1兆5187億円、純利益は同5倍の884億円だった。タイでの販売台数減少や豪州、東南アジア、北米での競争激化で販売費は増えたものの、新車効果や円安が追い風となった。円安により営業利益を550億円押し上げた。

世界販売は前年同期比7%増の77万6000台だった。日本では同5%増の9万7000台。新型軽自動車の投入効果に加え、消費税率引き上げ前の駆け込み需要も手伝った。北米で12%伸びたほか、欧州では10%増えた。一方、東南アジアでは同12%減の18万4000台だった。自動車購入での補助金プログラムが終了したタイでの販売低迷が響いた。

<今期の世界販売計画は下方修正>

今期の世界販売計画は従来の111万1000台から106万5000台に下方修正した。政情不安が続いているタイの販売減少などを反映した。

黒井義博常務は5日の決算会見で、反政府デモが長引いているタイについて、「現地での生産活動に影響は出てないが、販売や需要の盛り上がりでは影響を受けている」と説明。タイでの年間販売は従来10万3000台を計画していたが、「9万―9万5000台くらい」に落ちるとみている。ただ9万台という販売の規模は「決して悪い数字ではなく、右肩上がりの基調は変わっていない」とした。

一方、日本での消費増税前の駆け込み需要の取り込みについては「駆け込み需要に対応しようと思っても生産能力での余力がないというのが現状」と語った。

14年3月期の連結業績予想は維持。営業利益予想は前年比78.1%増の1200億円で、トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト3人の予測平均値1072億円を11.9%上回っている。売上高予想は同16.2%増の2兆1100億円、純利益は同2.6倍の1000億円で、営業利益とともに過去最高益を見込んでいる。

(白木真紀 編集:山川薫)

*内容を追加します。

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