ハーバードエリート集団が見た、新しい中国

よく語られる「中国像」を鵜呑みにしていいか?

大気汚染で煙る香港の上空。いったいハーバードビジネススクールのエリートたちが見た中国の今とは?

前回の記事で、ハーバードビジネススクール(HBS)の生徒の間では、日本人気が高いと書いた。一方、学校側としてアジアの中で注目しているのは、やはり中国である。

HBSでは毎年、中国研修プログラムが企画されている。これは約10日間かけて中国企業を回り、最前線にいる方々から現場の話を直接聞き、中国という大国について学びを深めることが目的なのだが、現役のハーバード生はいったい、中国の現地で何を感じるのか? 今回はそれについてレポートしたい。

財界大物に容赦ない質問

中国研修プログラム(China IXP)は学校公式の授業である。中国研究をしている教授、プログラムマネジャー、イベント企画会社や現地ガイドなど、手厚い引率部隊と共に1月中旬に60人の学生が現地に飛び込んだ。

約10日間をかけて回るのは、香港、広州、上海の3都市。訪問する企業は、不動産デベロッパー、商社、投資ファンド、プロバスケチーム、おもちゃ工場、教育機関、証券取引所、ワイン輸入会社、衣服工場など幅広い。各業界の方々から「今後の中国の課題とチャンス」を生の声で聞いた。

中国人経営者に、容赦ない質問を浴びせるHBS生たち

HBSらしいのは、各企業の社長のレクチャーをただおとなしく聞くだけでなく、学生側からがんがん積極的に質問して、掘り下げていくところだ。

前年に汚職事件で騒ぎを起こした会社を訪問した際、「中国での汚職の実態はどうですか?」とキワどすぎる質問が出たかと思えば、ライバル会社と政府高官にハメられて、脱税の容疑で刑務所行きとなった社長と会ったときには「そのことから学んだ教訓は何ですか?」と“ド直球”の質問をする。遠慮のかけらもない質問攻撃は、日本人としてはハラハラするが、そうやって深堀りすることで、ホンネを聞くことができる。

残念ながら個別の話は守秘義務の関係で書けないのだが、さまざまな方々から聞いた共通のテーマとしては、①成熟し始めた中国企業、②想像以上に深刻な公害、③矛盾と格闘する習近平政権――この3つが頻繁に挙げられていた。

最高級ブランドは中国産?

いまだにメイド・イン・チャイナというと、「安かろう悪かろう」というイメージがつきまとう。低価格帯の商品に関しては、確かにそうだろうし、今後もしばらくはそういう状況が続くだろう。しかし、今回、われわれが見てきたのは、その正反対にある高品質の商品を生産する企業群だった。

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