「就活川柳」に込められた学生たちの喜怒哀楽 「祈っても 想い届かず 祈られる」と嘆く声も

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祈っても 想い届かず 祈られる (東京都 ぴろきさん)

「この企業に絶対に入りたい」「何でもするから受からせてくれ」と企業に思いをはせ、合格することを祈り続けても、企業から届くのは「今後のご活躍をお祈りしています」のお祈りメールばかり。

企業と就活生のすれ違いを表現した句であるが、これは学生からばかりではなく、採用担当者からも同様の嘆きが聞こえてくる。

クールビズ 真に受け面接 みな正装 (兵庫県 末式部さん)

2011年の東日本大震災以降、クールビズやドレスコードフリーを採用している企業が一気に増えた。そのため夏場の面接では、学生に対しても「服装はクールビズで」とか、「カジュアルな服装でお越しください」と案内されることも少なくない。

面接会場はスーツの学生ばかり

ただし、学生からしてみると、前後に別の会社の面接が入っていたりしたら、その会社だけクールビズの服装で訪問するわけにはいかない。

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もちろん、前後の予定がなかったとしても、学生からしてみればクールビズやドレスコードフリーの服装を考えるよりも、いつものスーツのほうが楽である。

結果的に面接会場はスーツの学生ばかりになる。バカ正直にカジュアルな服装で参加した学生の悲哀を詠んだ一句。本当に面接学生の服装をクールビズにしたいのであれば、企業ごとに任せるのではなく、全社にクールビズ面接をルール化しない限り、無理な話である。

さて、「2020年卒 就活川柳・短歌」のオフィシャルページには、入選作品すべての作者の思いも記載している。ぜひご覧いただきたい。次回は、採用担当者による「採用川柳・短歌」を紹介する。

松岡 仁 ProFuture HR総研 主席研究員

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まつおか ひとし / Hitoshi Matsuoka

就職情報会社3社を経て、2009 採用プロドットコム(現ProFuture)に入社。新卒採用に限らず、キャリア採用、人材育成、人事制度、人事システム、労務、法改正対応等、人事領域に関連する幅広い各種調査の企画、実施・分析を行う。朝日新聞、日経新聞をはじめ、新聞、人事系雑誌、テレビからの取材依頼も数多い。

 

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