交通事故は減るか?自動運転がもたらす可能性 生活圏によってクルマは欠かせない移動手段

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筆者は64歳だが、同年代の人から「いつ運転免許証を返納すべきか?」と、助言を求められることがある。その際に伝えることは、返納する意識を持ち、その時期を考えておくことは重要だが、最新の新車には上記のような運転支援機能を備えるクルマが多く、身体機能の低下をある程度補ってくれる場合がある、ということだ。

高齢になっても、仲間同士でゴルフへ行くときの運転者役として頼られている人もいるだろう。人が生きるうえで、ほかの人の役に立てる自分であることの精神的支えは大きい。かといって、事故の加害者となる可能性もある今日、運転支援機能を備えたクルマ選びに目を向けるのは1つの解決策ではないだろうか。

自動運転がそこまで注目されるワケ

運転支援機能の行く先として、自動運転への期待も大きい。2020年には、国内でも高速道路上など一部の道路環境において、クルマに運転を任せられる自動運転の実用化が行われようとしている。

冒頭で紹介したスカイラインに加え、今後も、各自動車メーカーから自動運転の一部機能を実現した新車が発売されていくだろう。

自動運転の実現について、世界の自動車メーカーを含め、多くの人々が語るのは、「交通事故ゼロ」を目指すためである。交通事故の9割は人が原因になっているというのが、世界的な調査結果だ。人の手を離れれば、大幅に交通事故を減らすことができる。

しかし、それを実現するには、検知技術などのさらなる開発が不可欠だ。また、人が原因とされる9割の事故が自動運転によって回避できたとしても、残る1割はまだ解決できない。その際の事故責任が利用者にあるのか、製造した自動車メーカーにあるのか、まだ結論は出ていない。

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