ダボス会議を襲った、新興市場の混乱

世界経済のリスク浮き彫り

1月26日、世界経済フォーラム(ダボス会議)に集まった世界のエリートらが経済の先行きについて意気揚々と語っているところを、新興国の金融市場が急落するという出来事が襲った。写真はダボス会議の懇親会会場。25日撮影(2014年 ロイター/Ruben Sprich)

[ダボス(スイス) 26日 ロイター] -世界経済フォーラム(ダボス会議)に集まった世界のエリートらが経済の先行きについて意気揚々と語っているところを、新興国の金融市場が急落するという出来事が襲った。世界経済の回復が予想に反して不安定な道のりとなりそうなことを思い知らされた格好だ。

ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は「ここは楽観的な言葉に満ちあふれ過ぎている。金融市場が今週経験したことは、ことし1年間の前触れとなりそうだ。われわれは従来よりずっと不安定な世界に突入しようとしている」とフォーラムで語った。

米国、日本、欧州の景気回復は、慢性的な若年失業者の増大や熟練労働力の不足、経済格差の拡大といった問題を覆い隠している。

ダボスに集まったCEOからは、富裕な国、貧しい国を問わず失業率が非常に高いにもかかわらず、雇うべき人材が不足しているとの嘆き声がいつになく高まっている。

先進国の大学新卒者らは高い学費ゆえに大きな負債を抱えて社会に出るが、求められるスキルを備えていない。新興国の大半は成長率が潜在成長力を下回っている。

独シーメンスのジョー・ケーザーCEOは「われわれは痛みが和らいだから気持ちよく感じているだけではないのか。どれだけの雇用が創出されたというのか」と述べ、世界経済が本当に回復しているかどうかは疑問との見方を示した。

世界経済のバランスに変化

今年は世界の経済成長の担い手が大きく変化し、米国など先進国の役割が強まって新興国市場の力はやや衰えそうだ。

米連邦準備理事会(FRB)の債券買い入れ縮小(テーパリング)は、新興国に流れ込んでいた流動性を反転させるだろう。

メキシコのビデガライ財務公債相は「FRBがテーパリングを進めるのに伴い、今年は新興国市場が不安定な年になりそうだ」と述べ、ボラティリティは「一年を通じて」続きそうだと予想した。

ブラックロックのフィンクCEOは、一部の新興国市場においてFRBのテーパリングは市場混乱の言い訳にすぎないと指摘。真の原因は当該国の「おそまつな政策」にあると述べた。

仏自動車大手ルノーと日産自動車の最高経営責任者(CEO)を兼務するカルロス・ゴーン氏は「新興国市場に投資する際には、良い時もあれば悪い時もあることを覚悟しなければならない」と語った。

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