日本はアジア開発銀行によるアジア金融へ貢献を

日本はアジア開発銀行によるアジア金融へ貢献を

民主党参議院議員・藤末健三

 麻生首相が昨年11月の金融サミットで「IMFへ10兆円拠出」を表明したが、色々と調べているとあまり感心できたものではなさそうだ。

10兆円は政府の外貨準備から拠出する(正確には、融資要請があったら出す)。政府は国民負担はないというニュアンスの説明をしているが、外貨準備金もそもそもは税金が原資だ。もし損失が出ればすべて国民が負担することになる。


出所)財務省

IMFへの出資にすべき

IMFを見ると、現在、日本の出資比率は6.13%と、米国の17.09%に次ぐ、第2位出資国となっている。

しかし、事務方のトップである「専務理事(Managing Director)」は、今まで欧州出身者のみとなっている。そして、ブレトンウッズ体制をIMFとともに担う「世界銀行」はアメリカ人が総裁を続けている。ある意味、IMFと世界銀行は、欧米の金融支配体制の象徴と言える。

そのIMFになぜ日本が「国民の税金を10兆円も貸す」必要があるのか?

日本には他国より資金的な余力があるという意見もあるが、それであれば「日本の影響力が大きなアジア開発銀行のような国際機関を使う」か「日本が直接二国間の取り決めで資金を提供すべき」ではないか?

なにも、筆者は国際協調を否定するわけではない(ちなみに、この10兆円の融資は、私が国会図書館で調べた範囲では、外国の新聞にまったく取り上げられていない)。

ただ、「ヨーロッパの専務理事(理事会議長)が仕切った理事会で決まった新興国や途上国への融資などを行うために、サイフだけ日本が負担するようなことでいいのか?」ということだ。

同じ税金を使うのであれば「融資」ではなく、日本の意志をよりIMFで反映できるようにするための「出資」にすべきではないだろうか。

IMFへの出資の割には日本人がいないゾ!

前述のとおり、IMF(国際通貨基金)への出資は6.13%もある。一方、IMFの日本人職員は、全職員数2,586人中、37人しかいない。なんと1.5%だ(2008年4月末時点)。主要なポストにも、副専務理事、 アジア太平洋地域事務所長、アジア太平洋局上席審議役アジア太平洋局課長くらいしかいない。

この状況で10兆円の融資を負担することには疑問符が付く。少なくとも10兆円分のポストを得られなければ、政府はなにをしているかわからない。

アジア開発銀行(ADB)では日本人ががんばっている

一方、IMF・世銀と同じ機能を持つADB(アジア開発銀行)を見てみよう。日本の出資シェアは15.6%だ。

2008年12月末時点で、専門職員数856人(事務を含めた全職員数は2,484人)のうち日本人職員数124人いる。ちょうど出資比率と見合うくらいだ。

そして日本人職員が占めている幹部ポストを見ると、総裁、財務局長、戦略・政策局長、南アジア局長、予算・人事局長、、戦略・政策局シニア・アドバイザー、戦略・政策局アドバイザー、地域経済統合室シニア・アドバイザー などなど、要職を押さえている。

IMFとは大違いだ。

筆者は、IMFでなくアジア開発銀行を強化すべきと考えている。90年代末のアジア通貨危機では、韓国をはじめアジア諸国にIMFが支援を行ったが、そのやり方については非常に評判がよくない(IMFの手法が正しかったかは分からないが、少なくとも韓国人の間での評判は悪い)。

アジアで日本の立場を強化するためにも、21世紀にもっとも成長が見込めるアジアとのつながりを深めるためにも、アジア開発銀行を日本の主導により、強化すべきだと考える。

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