原宿から生まれたフランス人インスタグラマー 無名の女の子が日本でフォロワー1万人超に

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学生ビザで来日し、東京の語学学校に通い始めた彼女は、初日にがっかりした。フランス時代、独学で必死に終わらせた教科書とまったく同じテキストが配られたからだ。

「もう知ってる、これ」

モチベーションが下がった彼女は、間もなくして学校をさぼるようになった。就労ビザが下りるような仕事を探したが、それもうまくいかなかった。ちなみに、彼女は日本に来てからこれまでの5年半で、いわゆる普通の服装をしたのは「2回ぐらい」。大学を出ていないから仕事を探すのは難しいと言っていたけど、日本の企業で彼女の個性を受け入れる度量があるところが少ないのかもしれない。

学校は退屈。いい仕事も見つからない。それでも、フランスに戻りたいとは思わなかった。自分でも不思議なほど、日本の生活が肌に合った。フランスにいるよりも、明らかに快適で、リラックスできた。初めて歩いたはずの道なのに、「ここ、見たことある」と思ったことも一度や二度ではない。

叔母にいつも「あなたはきっと、日本のプリンスだったんだよ」と言われていたマチルダさんは、叔母の言葉通り、自分の深いところで日本と通じるところがあると実感していた。「なんでプリンセスじゃなくて、プリンスなのかわかんないけどね(笑)」。

運命の出会い

――それがだいたい5年半前で、それからどうなった?

いちばん大きなことっていうか。日本語の学校、クビになった。さぼって。そのときに昔から知ってた日本人、メールで知ってた人と会って、好きになって、結婚した。

――え、結婚!?

そう。2014年の11月、20歳のとき。日本に来て1年ぐらい経ってから。今も結婚してる。けっこう早かった。何も考えずに結婚しよってなった感じかな。いま考えると、クレイジーかもこのやり方(笑)。でもうまくいってるし、すごい幸せ。

――どうやって知り合ったの?

フランスにいたときに、日本語、勉強するために2年間ぐらい彼とメールしてて。もともと広島の人だけど、私が日本に来たとき、同じタイミングで、仕事のために神奈川県に来て。それで、会いましょうってなって。

――それですぐに結婚!?

会ったら、もう昔から知ってるみたいな感じ。それから2週間、友だちの関係でずっと会って遊んでて、もう知らないうちに好きになったっていうか。まだ付き合ってないときに散歩しててね、彼が「(マチルダが)フランスに帰ったらやだ」、「私もやだ、一緒にいたい」と言ったら、彼が軽く「結婚しよっか?」って。「うん、しよ」って言いました(笑)。

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