「万年2位」東洋大が箱根駅伝で圧勝したワケ

あと1歩で勝てないチームが、なぜ“壁”を破れたか

万年2位の東洋大が、なぜ勝てたのか?(写真:日刊スポーツ/アフロ)

正月の箱根駅伝をTVで見た人も多いと思う。今年も平均視聴率で26.9%をマーク。同時間帯の中では断トツの数字をマークした。しかし、復路の視聴率は27.0%と、過去10年間で最低の数字になった。その最大の原因は、優勝した東洋大が強すぎたことだろう。

往路を2位の駒澤大と59秒差で折り返すと、6区以降はその差をグングンと拡大。8区終了時で3分40秒もの大差がついて、勝負の行方が見えてしまったのだ。視聴者のハラハラ感を削ぐかたちとなった東洋大だが、この2年間は苦難の連続だった。そこで、今回は“箱根王座”を奪還した東洋大から“壁”を突破する方法を学びたい。

「山の神」卒業後の苦悩

東洋大は、「山の神」と呼ばれた柏原竜二が在学した4年間(2008~11年度)で、一気に学生駅伝の“主役”ともいうべきポジションを獲得した大学だ。柏原入学前は箱根駅伝に67回出場して、最高成績は3位だった。それが柏原入学後は、「山の神」の力を最大限に生かして、箱根では絶対的な強さを発揮。4年連続で往路を制すと、3度の総合優勝を成し遂げた。

柏原のラストイヤーとなった前々回大会(12年)は、柏原が5区で1時間16分29秒という驚異的な区間記録を打ち立てて、往路新記録をマーク。復路も大会新のタイムで駆け抜けて、総合成績でも大会記録を樹立した。

前方を走るランナーとの5分近い差を、たったひとりでひっくり返してしまうたぐいまれなヒルクライマーが出現したこともあり、全長217.9kmの箱根駅伝で「5区23.4km」は特別な区間になった。山登りの5区が最長区間になった今回までの9年間で、5区で区間賞を獲得したチームすべてが往路優勝を成し遂げ、そのうち6チームが総合優勝に輝いている。「山を制す者が箱根を制す」という言葉が現実のモノになった。

5区が最大のアドバンテージとなっていた東洋大も、柏原の卒業と同時に、「5区」に悩まされることになる。昨季(2012年度)は学生三大駅伝の出雲と全日本で2位。箱根では、1区田口雅也が区間賞、2区設楽啓太が日本人トップ、3区設楽悠太が区間賞と序盤に鉄壁なタスキリレーを見せながら、5区で1分49秒差を逆転される。服部翔大にトップを奪われて、日本体育大の30年ぶりの歓喜を眺めることになった。

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