08年は邦画収入が過去最高を更新、邦高洋低の傾向が強まる--日本映画産業統計

2008年の国内映画興行収入は前年比1.8%減の1948億円強、入場者数は1.7%減の1億6049万人だった。日本映画製作者連盟がまとめた。

映画館数は、前年より138スクリーン多い3359となり、1スクリーン当たり収入は5800万円(前年6100万円)とさらに低下した。興行収入の内訳をみると邦画は、ヒットの目安となる10億円以上が28本を数え、1158億円強(22.4%増)で2000年以降で過去最高を記録した。一方、洋画は前年比23.9%減の789億円強(10億円以上は24本)にとどまり、逆に2000年以降の過去最低となった。この結果、邦画と洋画の構成比率は59.5対40.5(前年は47.7対52.3)と2006年以来2年ぶりに邦画優位に逆転した。

この邦画優位を主導したのは、スタジオジブリ製作の「崖の上のポニョ」(興行収入155億円)である。過去の「千と千尋の神隠し」(2001年公開、303億円)、「ハウルの動く城」(2004年、200億円)には及ばなかったものの、やはり宮崎アニメの強靭さを改めて示した形だ。この「崖の上のポニョ」を含め、邦画ベスト10の中で8本が東宝配給作品だ。

このほど行われた映連の統計発表会見で「昨年配給29本のうち22本に出資し、興行記録を大幅に更新できた」と東宝・高井英幸社長は、自信を示した。一方、松竹は、邦画14本を配給したうち「母べえ」(山田洋次監督)、「ゲゲゲの鬼太郎」など4本が10億円以上を稼ぎ、特に「おくりびと」は、アカデミー外国映画賞にノミネートされる栄誉も加わった。また「映像と演劇を組み合わせたシネマ歌舞伎がお客様の評価が高い」(迫本淳一社長)と今後の目指す方向の1つを明らかにした。

09年の映画界の動向について、映連・大谷信義会長は「邦画にはポニョのような超大作はなく、一方で洋画には大型作品が多いので、邦画と拮抗するのではないか。景気との関連では、今後企業の製作資金などに影響が出る可能性がある」と指摘する。その中で各社は系列シネコンにデジタル映写機を導入するなどデジタル化の動きに合わせた投資を行う予定。東宝は「スタジオの第2次改造工事に着手、ポストプロダクションの工事を行い、ダビングルームはワーナーブラザーズの指導を受けて改良する」(高井社長)予定。東宝は今年33本の配給を予定し、同社を中心に邦画が優位で展開しそうな雲行きである。 
(宇田川 日出雄)

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