新興国市場のIPO拡大に明るい展望

投資家の資金取り込みに注力

1月15日、米国の低コストの資金調達環境が引き潮に向う状況で積極姿勢を後退させかねない投資家の関心をつかもうと、チュニスから北京まで幅広い新興国の企業が株式投資家の資金取り込みに力を入れている。写真はチュニジアの国旗。ベルンで2011年1月撮影(2014年 ロイター/Ruben Sprich)

[ロンドン 15日 ロイター] -米国の低コストの資金調達環境が引き潮に向う状況で積極姿勢を後退させかねない投資家の関心をつかもうと、チュニスから北京まで幅広い新興国の企業が株式投資家の資金取り込みに力を入れている。

新興国市場の株式パフォーマンスは過去3年間市場平均を下回り、年初以降も全体的に期待を裏切る低調な相場となっているが、今年はその流れに逆らうように途上国の新規株式公開(IPO)が活発化する1年になりそうだ。

トムソン・ロイターのデータによると、新興国企業が年初以降に新規株式発行で調達した資金は23億ドルに上り、前年同期の5倍以上に達した。

新規発行を主導しているのは、株価は不当に割高だとの不安を和らげるために当局が規制改革を進めている中国を中心とするアジア企業だ。

しかし、今年はこの動きが他の地域にも拡大する可能性がある。独裁政権を退陣に追い込んだ3年間の民衆蜂起を経て政治状況が安定化を増しているチュニジアのような国で、企業が株式の売り出しを再開し、投資家に対する新株需要を満たすことができるようになっているのが一因だ。

米連邦準備理事会(FRB)は年内に債券買い入れプログラムの終了を視野に入れており、新興国には厳しい1年間になりそうだが、こうした各国固有の要因が株式市場にグローバル投資家を呼び戻す材料となるだろう。

UBSウェルスマネジメントの新興国市場最高投資責任者(CIO)、ジョルジ・マリスカル氏は「新興国市場は基調が好転するだろう。輸出が拡大し、企業業績は安定し、自己資本利益率(ROE)が改善する兆しが出ている」と指摘する。

その上でマリスカル氏は「これらは株式発行の支援材料になる。一般的に言えば、2014年の発行スケジュールは前年に比べて立て込むと予想する。ただ、IPOはそれぞれの国内力学が主導する形でばらつきのあるものになるだろう」と語った。

ROEは持ち株に対して何%の純利益を上げたかを示す比率。新興国市場では12.7%前後で、2011年後半の15%から大幅に低下した。先進国市場では12.1%となっている。

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